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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのmakaのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

設定自体はよくあるタイムループもので、話の大筋も特定の人物の後悔、未練を断ち切るという王道のど真ん中を行くものだった。このような映画はテンポと現実味のバランス調整がとても難しく、少しでもテンポアップしすぎると登場人物がタイムループというあり得ない状況をすぐ信じてしまう点で現実味が薄れてしまい、かといってテンポをダウンしてしまうと、同じ映像を続いてしまうことで通常の映画より格段にマンネリ化が進み、どうしてもストレスを感じてしまうのは避けられない。しかしこの映画はテンポ、役者の演技力が完璧で、更に現実味の醸し出し方も素晴らしかった。一周目から三周目までは現実の上昇志向の高い上司よろしく部下の忠告を完全に無視し、少し感じた違和感も仕事の忙しさから気にしていない。そして少しマンネリ化してきたところで、鳩が窓にぶつかるという、(視聴者も)記憶に残りやすい且つ夢から覚めた後すぐに発生する事象をキーとする合理性が現実味を持たせている。かといって現実味を出し続けてしまうとシリアスさが混じって方向性が中途半端になってしまうが、部長への大真面目なプレゼンであったり、漫画の出版を期待させておいての「でも無理」であったり、笑わせポイントを用意したうえでそのネタがちゃんと面白いためギャグ調を醸し出せている。またこのようにシリアスさだけでなくギャグ調を兼ね備えているからこそ、ヒロインが未来だけ見るのではなく今を大事にしようとした決断という感動するシーンで、それまでのシーンとのギャップにより感動が増幅されている。
タイムループして、記憶を消してもう一回見たい作品
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