Finn

2つの人生が教えてくれることのFinnのレビュー・感想・評価

4.2
アニメーターになるという大きな夢を抱くナタリーは、一夜の過ちの結果、大学卒業パーティーで妊娠検査薬を使うことに。妊娠していた自分と妊娠していなかった自分…未来はどうなる?
1人の女性が歩む全く違う5年間を同時進行で描くパラレルワールド作品。

あの時ああしてたら今頃どうなってただろう…やっぱりあの選択は間違っていたかも…っていうモヤモヤは誰もが経験したことあると思うけど、それを同時進行で見せるのがすごく面白かった。
どちらかがずっとHAPPYでどちらかは辛いことの連続とかじゃなくて、両方の人生でも良い時と悪い時があって、最終的にどちらもハッピーエンドなストーリーだったのも良かったな。

「髪を切る」っていう行為が2つの人生の対比になっていて印象深かった。同じことでも、タイミングと状況によって全く別の意味を持つってことが伝わってきてすごく納得。

エイブめちゃくちゃ良い人!彼だって若いし夢もあるのに、ちゃんと責任取って子育てにも参加して。当たり前だけど、現実は逃げる男も多いし。
ナタリーの親も含めて、1つの出来事で自分だけじゃなくいろんな人の人生も変わってきちゃうんだよなって考えさせられた。

正直どちらもあまりに上手くいきすぎてて、実際は子供ができたら生活するために必死で絵を描いてる余裕はないんじゃないかなとか、そんなに早くクリエイターとして成功できないでしょとか思っちゃうけど(笑)
作品のメッセージは深く刺さったし、環境とか自分の過去の選択に卑屈にならずに前を向いていこうって思えました。

エンディング含め、作中に流れる音楽もすごく好き!

どんな道を選んでも良いことばかりじゃないし、辛いことも後悔もある。でも自分を信じて努力すれば夢を実現できるって背中を押してくれる、素敵な作品です。
Finn

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