きし

宮松と山下のきしのレビュー・感想・評価

宮松と山下(2022年製作の映画)
3.5
呼吸、色彩、構図、音声。これらの要素の作り込みがすごく、それらだけで物語ってしまえるため、セリフが一握りだけで成り立っていることに驚いた。
ただ、それは香川照之という怪優の存在が背骨として太く突き刺さっているからこそまとまっていると感じる。
ある変化を告げるシーンでの香川照之、顔が融解していくように少しだけにやつく気持ち悪さ。緻密に設計された陰影によりその気持ち悪さは、怨霊のような気味悪さに昇華されたように感じる。
冒頭の要素と俳優が画面に溶け込んで一つになる稀有な瞬間を目の当たりにしたかも。
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