さとうゆか

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのさとうゆかのレビュー・感想・評価

3.0
ふとした一言一言に共感してしまう映画だった。どうがんばったって傷つかずに生きていくのは難しくて、何かあったら話したらいいよと言ってくれる人がいても、それであなたがどう思うかが怖くて話せないことってたくさんある。「私の話はこの子の話で、この子の話は私の話。だからこの子に大丈夫と言ってあげたい。」もひとつ生きる術だよなと心がじわっとなった。

正直ぬるくてもやもやする時もあるけど人間の挫けやすいところばかりじゃなく、それを外から見て「優しすぎるのを許容し続ける危うさ」「世の中には安心できる場所の方が少ない」とシビアな目線で生きる白城さんがいてまとまっていたな(ポスターも彼女だけこちらを見ている)

昔、「元気?元気じゃなくてもいいけど」と言ってくれた友人のことを思い出して、「大丈夫?」「今日は大丈夫じゃない」と素直に言える誰かがいてくれる、それが大切な人、いなければぬいぐるみでも、それだけで、自分が生きる世界はやさしいなと思った。