写真家ナン・ゴールディンの半生と、彼女が大手製薬会社を弾糾するドキュメンタリー。
(裁判の場面での弁護士はデュポンに挑んだ弁護士を彷彿させる)
美しくも残酷なタイトルが何処から出てきたのかがわかるところと姉の持っていた『闇の奥』の一節が辛い。
なぜ糾弾するに至ったのかの経緯よりも彼女の人生にスポットを当てているため(そうならざるを得ないのだが)少し散漫な感じは否めないか。
日本でこの先絶対に起こらないとは言えないものの、皆保険ではないアメリカで比較的手軽に処方も含めオピオイドにアクセス出来る状態や環境が大元の原因な気がしたため、少しモヤっとした気分。
ジョン・ピーターズやジェイ・スクリーミング・ホーキンスからのジャームッシュの写真はアガる。
当時のNYアンダーグラウンドカルチャーの人々はドラッグにAIDSで短命だったんだなと改めて思う。
美術館からサックラーの名前は消せたけど
映画後の今は残念ながら和解は白紙化に向かっているようだ。
写真繋がりで中平卓馬展へ
言語を持たない写真は言葉を超えた強いメッセージがあり、映画よりも一瞬でその時代の空気を閉じ込める。
濃縮されたエネルギーとパッション。