トゥーン

バルド、偽りの記録と一握りの真実のトゥーンのレビュー・感想・評価

4.0
近年のイニャリトゥ作品が自分には合わない。初期作は好きだけど、映像美に走ってからはいまいちノれない。とはいいつつも、面白い演出は確かにあって、冒頭から胸を掴まれる。砂漠を走って浮遊する影だったり、赤ちゃんを母体に戻したり、人が次々と倒れて死体の山となったりと。個々の才能溢れる演出の洪水を2時間40分浴び続けるのはなかなか大変だが、とても楽しい。ミニシアターではなく、もっと大きい劇場で見たかったな。
音の使い方や選曲は相変わらずうまい。病室を歩く音、一つ取っても素晴らしい。特にパーティーのシーンの不思議な雰囲気を作り出すのがうまい。
ある程度の社会的知識を必要とする作品なので、パンフレットの解説が欲しかったが、ネットフリックス映画ということで発売はなし。残念。
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