塩湖

ボーンズ アンド オールの塩湖のレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.5
ネトフリドラマ『このサイテーな世界の終わり』を思い出させる危うげでグロテスクで青々とした世界観のなかにちゃんとグァダニーノの癖があるので楽しい。映画がスタートしてから、友人の指を食べるまでの間はすごく短くて、その描かなさに驚いた。でもマレンと彼女をかばう父親の関係性は、他にある何げない描写から切実に伝わってくる。また、マレンに対してサリーがはじめて人を食べたエピソードを話すくだりは、一文ずつパズルのピースのようにはまることで彼自身のキャラクター性を一気に深めていて本当に美しい台詞運びだと感動した。それに限らずサリーという人物は、この映画の中でいちばん悲しくて怖くて興味深い存在だと思う。彼がいてよかった。マイケル・スタールバーグとクロエ・セヴィニーの登場も、個人的にはサプライズで、うれしかった。ティモシーはティモシーだった。それでいい。それがいい。
塩湖

塩湖