ラッキーマウンテン

ボーンズ アンド オールのラッキーマウンテンのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.9
まず、それなりにグロいので苦手な人は注意。
作品の評価を下げる気はないけど、グロシーンも美しい〜という意見が多いから油断して観たらちゃんとグロじゃん…となったので。

人喰いの話だけどラブストーリー。スタンド使いは惹かれ合う的な結びつき方だったけど、そういやcmbynも磁石みたいに恋が始まってたな。
人喰い設定はセンセーショナルな画面作りのためもあるんだろうけど、官能性を演出するにはもってこいだと納得。
肉体各部の一番内側にあって、それでいて物理的に人間が食べられない骨という存在。まぁ粉にすればいけるんだろうが。
そんな骨を捧げる行為はとても無駄で不毛な気がするのだが、その無意味さこそが愛という感情の不可思議さを演出しているのだろうな。
鈴木清順『ツィゴイネルワイゼン』の骨の下りを思い出しながらそんなことを思った。

ラブストーリーの中にちょいちょい現れるサリーやその他同族たちの不気味さを目の当たりにすることで、cmbyn→サスペリア→この作品という監督のフィルモグラフィみたいなものを感じた。おわり