樺太柳葉魚

ボーンズ アンド オールの樺太柳葉魚のネタバレレビュー・内容・結末

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

後は観た者が勝手に解釈しなされ!と言わんばかりのぶん投げラスト。きれいに終われる内容ではないですもんね。マレンは赤ん坊の時にベビーシッターを食い殺したというナチュラルボーンなマンイーター。そのせいで定住できず、あちこち流れるように生きている。お父さん、仕事探すの大変だろうな。遂に嫌気が差したのか、ある朝、お父さんはマレンを置き去りにして出ていくのでした。残された出生届から、会った事のない母親の生地を知ったマレンは旅立ちます。途中、サリバンという同族の爺様と出会い、一緒に暮らそうと誘われるんですよ。しかし爺様だし、一人称が「サリー」だし、マレンは気味悪がって逃げるのでした。そして出会った赤髪の美青年リー。彼とは一緒に旅するんですよ。やっぱり爺様よりワイルドな美青年っすよね。なんとか母親の居場所を突き止めるのですが、そこは精神病院。両手の無い母親から殺されそうになり逃げ出すマレン。生きてちゃいけない存在だと生みの親から言われる辛さよ。自ら両手を食べたらしき母親の姿は、未来の自分自身かもしれない。マレンの人生の唯一の光はリー。しかしリーが殺し、二人で仲良く食べた男に妻子がいた事でマレンはショックを受けるのです。でも一人暮らしの寂しい人間は食って良いかと言ったら、そんなわけないでしょう。一人暮らしで家族が居なくても食い殺されるのは嫌ですよ。マレンの正義感はちょっと違う。そんなマレンに再び近付くサリー。実はずっと尾行していたという。ストーカー爺。でも人食いなので家族を持つ事もなく、孤独に生きてきて、初めて共感できる相手に出会えたから執着しちゃったんでしょうね。嫌だけど。マレンは何とかサリーから逃げ、リーの元へ。爺様より美青年。二人で旅をしている途中、乗っていたトラックがいよいよ寿命かもしれない。壊れるかもしれない、となり。旅は止めて普通の生活を始めるのですが、三度現れるサリー爺様。マレンとリーは力を合わせ、どうにか爺様殺すんですけどね。リーもやられちゃうんです。致命傷。助からないと察したリーはマレンに食べてくれと頼む。そして、ラスト。二人で普通に生きようと話した場所(だと思う)に居るシーンで終わり。あれ?リーは結局無事だったの?それとも普通の生活が想像で、二人はまだ先行きを決めてないの?それともどちらかの回想?といった解決しない謎を残したラスト。人食いカップルの未来に明るい展望は無さそうだけど、絶望的な終わり方するより、観客に任せちゃえって感じなんだろうか。普通の食事もしてるから、人間食べなきゃ死ぬってわけでも無いようなんだけど。どこに焦点を当ててるのか、いまいち把握出来なかった。
樺太柳葉魚

樺太柳葉魚