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ホワイト・ノイズのILLminoruvskyのレビュー・感想・評価

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)
3.8
原題『White Noise』(2022)

監督・脚本 : ノア・バームバック
撮影 : ロル・クロウリー
編集 : マシュー・ハンナム
音楽 : ダニー・エルフマン
出演 : アダム・ドライバー、グレタ・ガーウィグ、ドン・チードル、他

ドン・デリーロによる同名小説を原作とした、避難生活を経験したことで死の恐怖に取り憑かれた大学教授とその家族を描くシニカルな不条理コメディ映画。

原作未読。

「死の恐怖について」映画。
そして、
「赤」映画。

奇妙で変な映画でしたが、センス溢れる色使い、スタイリッシュな撮影、冒頭からラストのLCDサウンドシステム「new body rhumba」が流れるなかスーパーマーケットで人々が踊り狂うミュージック・ビデオのようなエンドクレジットシーンまで、ノア・バームバックのセンス、作家性が炸裂していて、ポール・トーマス・アンダーソン『インヒアレント・ヴァイス』を鑑賞した時のような、あの不思議な感覚になった作品でした。

日常劇、パニックもの、不条理劇とジャンルを横断する三章仕立てになっていて、「コロナ禍」、パンデミック前、中、後、とも重なり、そこに、イエス・キリストを連想させる右手の甲の刺し傷(聖痕)の跡がある謎の男が薬物中毒だったり、信仰の重要性を説くものの一切信じていない修道女など、ノア・バームバック流の痛烈なシニカルさで描かれていて面白かったです。
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