TOHOシネマズ学生映画祭

蟻の王のTOHOシネマズ学生映画祭のレビュー・感想・評価

蟻の王(2022年製作の映画)
3.5
1960年代、今から60年以上前のイタリアを舞台にした映画。同じ男性の教え子を愛した教師に対する不寛容な社会と、理不尽に抗う教師、記者、学生を描いているが、その裏ですすむ、教え子エットレに対する家族の接し方や「治療」と称される措置の残酷さが強く印象に残る。
教師に対する理不尽な問いかけが映像で描かれている分、その長く苦しい孤独な時間の裏で描かれていない、エットレの受けている仕打ちや精神的苦痛を想像してしまう。
いまここ十数年でようやく知られてきた存在である「同性愛」の、「知られていなかった」時代に、存在すら認められない事の苦しみを体感できる作品でした。

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TOHOシネマズ学生映画祭実行委員
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