若くして詩の伝統に革命を起こした天才のアルチュール・ランボーと、当時人気を博していた同じく詩人のポール・ヴェルレーヌとの、常軌を逸した愛憎模様を描く作品。
はじめは妻をもつ男が魅惑的な美少年にたぶらかされる構図だが、次第にヴェルレーヌの酒乱によって全てが破壊的な方向に向かう。なぜこの男に二人の男女が悶着しているのか疑問に思うほど、ヴェルレーヌの人格破綻を見事に演じているデヴィッド・シューリスの演技は瞠目物である。凡人には理解しがたい破滅的な生活が描かれている。
約30年前の作品であり、なかなかの問題作であるこの映画を今鑑賞する理由があるとすれば、それは主演レオナルド・ディカプリオのうら若き姿にあるかもしれない。
TOHOシネマズ学生映画祭実行委員