「スパイダーバース」シリーズに端を発した、ここ数年のアニメーション映画の革命の寵児のうちのひとつ。
擦られ過ぎて、改めて言及する必要もないが、落書きが動いている様な絵作りが凄いし、観た事がなく、カッコイイ。そのジメジメした暗いストリート感が、ニューヨークと言う街ともマッチしているし、使われているHip-Hopナンバーとも合っている。
役者がとにかく豪華なのだが、そのひとつひとつにきちんと意味を持たせているのが観ていてアガる。スーパーフライをNWAのIce-Cubeが、父にして「忍術」の師のスプリンター役をジャッキー・チェンが演じている。スプリンターのアクションは往年のジャッキー・アクションへのオマージュを感じる作りで、そこもアツい。
先述の通り、古き良きニューヨーク Hip-Hopが使われている。それが全て映画と合っているのが気持ち良い。
Ice T ’6 ’N the Morning’
M.O.P ‘Ante Up’
Blackstreet ’No Diggity (feat. Dr. Dre & Queen Pen)’
Gucci Mane, Bruno Mars, Kodak Black ’Wake Up in the Sky’
Ol’ Dirty Bastard ’Shimmy Shimmy Ya’
A Tribe Called Quest ‘Can I Kick It?’
彼等が捕まった時に元気になる為に歌うのはBTSの’Butter’だ。余りにもあからさまとも思えるし、2023年につくられたと言う記名性が強過ぎるとも捉えられる。然し、ティーンエイジャーは一番その時代の流行りに敏感だ。私は原題に入っているteenageと言う単語がとても機能していると捉えた。
そして映画は生物だ。その時代を反映する物だ、と言う私の持論からすれば、これくらいやっても良い。
ラファエル、ドナテロ、レオナルド、ミケランジェロの4人が本当にティーンエイジャーで、らしい馬鹿話、ノリ、悩みをやっているのが素晴らしい。イキって、カッコつけて、でもティーンエイジャーなのが、可愛くて、ちょっとウザくて、4人のやり取りだけでずっと観ていられる。
街が登場人物の物語が好きな私として、最高。