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フォールガイのvenom9のレビュー・感想・評価

フォールガイ(2024年製作の映画)
4.2
スタントパーソン、そして映画そのものへの愛が溢れる。
序盤モッサリしていて「大丈夫かこれ」が第一印象。ライアン・ゴズリング演じるスタントガイ、コルト・シーバースが大怪我後の隠遁生活を脱する狼煙がわりのカーアクション(来店客の車、ダッジチャレンジャーだったか)で覚醒、その後はどんどんテンポ上がり、文句なし。
本作監督のデイヴィッド・リーチも「ジョン・ウィック」シリーズの監督、チャド・スタエルスキも元スタントガイ。かつて裏方だったスタントガイは昨今光が当たり、アカデミー賞がスタントを対象した賞の創設を検討しているとか。スタントガイの功績はもっと讃えられてよい。
お気に入りの俳優の一人、アーロン・テイラー・ジョンソンがちょっとおバカなハリウッドスターを演じていてクスッときたが、「ズーランダー」でのオーウェン・ウィルソンくらい振り切ってよかったのに、やや物足りない。
ヒロインのジョディーを演じるエミリー・ブラントの、恋する女性の眼差しが素晴らしい。エイリアンの着ぐるみを着てトレーラーに会いに来たコルトを暴漢と間違え撃退するジョディーの強いこと。「オール・ユー・ニード・イズ・キル(邦題)」のリタ・ヴラタスキ役へのオマージュだろうか。
エンドロールのメイキング集が本作の姿勢を物語る。素晴らしい。
(2024年11月 U-NEXTで鑑賞)
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