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その音がきこえたらのmylifeのレビュー・感想・評価

その音がきこえたら(2021年製作の映画)
3.8
「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」が面白かったので、近藤亮太監督の作品に興味を持ってみた。アマプラで観れる『第1回日本ホラー映画大賞』の中に収録されている。

ちなみに、第1回日本ホラー映画大賞は「みなに幸あれ」。第2回の大賞は「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」なのだ。なんだ、1回目から才能溢れる作品を撮っていたんやね。

さてと、ベースにあるのはコックリさん。割りと古典的な手法。そういや、白石監督の「 超コワすぎ」でも同じ題材を扱っていたのを、ほのかに思い出した。工藤Dが、幽霊相手に…さん付けはおかしいと頑なに呼び捨てにしていたのが少し懐かしい頃合い。

ところで、本作は「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」の長編でも感じたように、語りが良い。妙に食い入るように聞かされてしまう。聞き入りながら引き込ませるタイプの作品かな。

何せ、語り口が重いのだ。どんよりした空気が充満していくのを感じる。そして、その空気で支配されたトキに何かが、起こりそうな展開ってな感じ。見せ方や切り口は巧いと思う。近藤亮太監督には、この路線で今後の活躍にも期待してみよう。

ちなみに、長編ではない「みなに幸あれ」のショートバージョンも鑑賞してみた。いゃあ、こちらも良く出来てる。こっちは、ショートの方が長編よりも無駄を削ぎ落とし良質な作品だと感じたのは私だけかな。不条理さは端的なショートの方が合うと感じる今日この頃。
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