くさむすび

オオカミ狩りのくさむすびのネタバレレビュー・内容・結末

オオカミ狩り(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

これは2023偏愛映画枠。
まんまと宣伝に騙された。「予告見せすぎでは?」と思ったけどその上を行くし、ソ・イングクをあえて主演に置いたからこその衝撃もあった。まさか開始1時間で死ぬとは思わないし、あの怪人も初登場時からインパクト残すくらいの恐怖だったのに最後は応援したくなるという逆転現象が起こる。囚人たちの笑顔が凍る瞬間、チャン・ドンユン演じるドイルが主人公になる瞬間がとにかく最高だった。イメージが乱高下する作品を見ている時が一番楽しい。
ジョンドゥが死ぬまでの前半はとにかくレパートリー豊かに殺している感じがあって登場人物たちに余裕が見られた。耳を齧ってモグモグしたり、電動ドリルで額を貫いたり、ナイフを首にひと刺ししていたが後半の怪人が出てきてからはとにかく皆余裕がなくなって、大まかにナイフで刺す・銃で撃つ・殴るの3パターンになっていたのが的確に心理状況を表していたと思う。殺し方で語っていた。
前半から飛ばしに飛ばすので正直見ていて心配になるが、先述した通り怪人という起爆剤を投入したり更にはドイル、果てはソン・ドンイルまでもが改造人間でしたという斜め上の展開で本当最高。言ってる人多いけど『魔女-Witch-』みたいな超人バトルになっていくのは流石に予想外。あれを見ると、凶悪な囚人たちも所詮は雑魚だなと思うレベル。
そしてハイペースでずっと流れ続ける血。もうしばらくスプラッターは見なくて良いかなと思うくらいの血。「どうすれば全編血を流し続けられるか?」の問いに対しての答えを見つけ出していたと思う。中弛みしていないのが凄い。想像以上に面白かった。映画館でもう一回見たい。
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