このレビューはネタバレを含みます
あらすじに惹かれて鑑賞。卒業式前日と卒業式当日の校内を舞台として、卒業を迎える高校3年生の4人の少女それぞれが抱える問題や卒業における別れと向き合う姿を群像劇として描いた作品。より良い人生を送れるかどうかは自分次第なんだと改めて思わされる素晴らしい作品だった。
4人の少女それぞれが卒業することによって"別れ"を選択しなければならない。後藤由貴は遠距離になってしまう彼氏と、神田杏子はひっそり応援している部活仲間と、作田詩織は学内の唯一の居場所である図書室とその先生と、山城まなみは学内で亡くなった彼氏との思い出と。
たった2日間でも色んなことを考えられるし、行動だって出来る。より良い卒業を迎えられるかどうかは自分の行動次第。作中で彼女たちはしっかり考え、行動し、別れを選び、成長していく。素敵だなと思った。
卒業して別れを選択した彼女たちに対して、タイトルの「少女は卒業しない」がどういう意味なのか考えたけど、"別れを選んで卒業はするけど、未練が全くないわけじゃなく、卒業したくないという気持ちが残っていること"に対してのタイトルなのかなと個人的には解釈。
作中でも最後に別れを告げた彼氏に何度か振り返る後藤由貴、人気者になった森崎に何も言えずに去った神田杏子、卒業したくないと発言した作田詩織、卒業式当日に答辞を読めたのか明かされないまま亡くなった彼氏にだけ読み上げる山城まなみ。皆より良い別れの為に努力したけど、どこか未練も残っている。そんな状態の彼女たちのことなのかなと。
彼女らのように、"より良い人生の為の努力"、頑張っていこう。