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少女は卒業しないのせっのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.2
なんで卒業ってしなきゃいけないんだっけ?

4人の少女がそれぞれの恋と高校生活に徐々にケリをつけていく、卒業式の前日から当日にかけての話。

卒業後の進学で彼氏と離れ離れになる由貴、卒業式後のライブに向けて奔走する軽音部の部長杏子、クラスに馴染めずいつものように図書室で先生と話す詩織、そして卒業生代表として答辞を読むことが決まったがある事がずっと心に残るまゆみ。全員、次に進む準備もケリをつける決心もできていないのに卒業という区切りで強制的にそれを迫られる。

勝手に学校という場所に集められて勝手に始まって勝手に終わらされる。アイドルの卒業みたいに終わるタイミングぐらい自分で決めれても良いのに。でも、大人になっても終わりも別れも突然なのは変わらないからなぁ。

でも、4人とも不器用ながらも卒業に向けて、たった2日間なのにちゃんと徐々に学生生活が現在から過去に変わっていく。卒業式後に大きなイベントがあってギリギリまで高校生のままに見える杏子ですら徐々にケリをつける準備をしていたんだもんなぁ。

やっぱり1番印象的だったのは学校が苦手だった詩織が「卒業したくない」って言うシーン。嫌だったはずの経験が、良い思い出になるのはその経験が過去になったんだなと思って1番泣けた。大人になっても図書館みたいな場所はあるよ、いや、図書館以上の居場所があるよ!!

そして、最初から「卒業したくなーい!」って言ってた由貴達は案外すぐ高校に戻りたくないって言ってるようなタイプだと思う(笑)

あと、由貴の彼氏演技控えめに言って最高でした。気まずい朝の登校のもう思春期男子っぽい、素っ気なさよ。そして女子に皆で写真撮ろうと言われてダルそうにでもちょっと嬉しそうでイキってる感もある一瞬の表情良かった(笑)由貴との花火シーンで見せる本当の顔とのギャップもね。
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