せっ

殺人鬼の存在証明のせっのネタバレレビュー・内容・結末

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


森の中で女性が襲われる事件が発生し、10年前に逮捕したはずの犯人の手口と全く同じことが明らかになり、10年前の捜査を辿りつつ新たな捜査の様子も展開していくミステリー。

意外と最近こういうド直球のミステリーでちゃんと面白いのって少ない。実在のシリアルキラーを題材にしてるけどそこに新しい謎を上乗せて、さらに見た人を完全に模倣してしまう精神病患者や見た目は完全に凶悪犯っぽい囚人を既にシリアルキラーがいるのに出してくる。そして、冤罪に突き進む警察という組織に不倫に、妻に毒を盛られる主人公。混ぜたら危険な要素を達を取り入れながらしっかり上手くまとまってて良かった(多少散らかってる部分はご愛嬌ということで)。

でも、さすがに人の真似しちゃう精神疾患の人や不倫相手が出てくるシーン、脈略が無さすぎて、でもこのシーンあるってことは伏線だなとしか思えないのが残念。時系列が飛ぶ構成からノーランを連想するけど、今作はわかりやすいから脈略ないことが分かってしまう。ノーランって全部時系列ひったかめったかにして見てるこっちを混乱させることで、話の筋を通してる風にしてるだけなんだろうなぁとこれを見て思った(笑)

実際の事件もチカチーロ1回捕まって釈放されて犯行を重ねたみたいで、当時警察がしっかり捜査をしてれば被害者を食い止めれたのでは?という点で、この映画の中で刑事が1番凶悪に見え、ラストもお互いをお互い罰する刑事というのも良かった。何人も殺す凶悪犯も怖いけど、早いとこ逮捕して解決に持っていきたい警察はもっと怖い。

結果的にサイコパス映画じゃないのに、シリアルキラー癖に突き刺さるしっかり面白い映画だった。
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