一期一会。
こんなスペシャルな出会いは無いかもしれないけど、80億人以上いる世界の中で、言葉を交わす人は本当にひと握り。
その出会いを、不快なものにならないように生活したいな、と思わせてくれる作品。
感じの悪いシャルルに、もしマドレーヌも感じ悪くやり返していたら、こんな奇跡は起こらなかったと思うから。
家族のために昼夜なく働き、働き詰めで家族と過ごす時間がない、心にも生活にも余裕がなくてイライラしてばかりなので、免停寸前のシャルル。
彼が乗せたマドレーヌは、老人ホームへの道すがら、寄り道を頼んだり、警官相手に小芝居をしたり、自分の人生を振り返ったり…ちょっと風変わりなマダム。
「大勢のうちの一人」だったはずのマドレーヌが、シャルルの中でだんだん特別になっていき、彼も心を開いていく過程が、静かだけどあたたかい気持ちがスクリーンから伝わってきて、とても素敵だった。
予告のポップでキュートな感じからは想像できない生立ちだったけど、重く出しすぎず、でも当時の女性の不平等な辛さを丁寧に描いていたのもとても良い。
とても綺麗なスカイブルーのスカーフが彼女を象徴しているようで、印象的でした。
こんなに雑念なく入り込めたのは、今作の特殊な撮影方法のおかげだったと思う。
だってほぼ車内のシーンだからw
https://youtu.be/Brcwb2PnVWs
