無愛想なタクシー運転手シャルルと終活に向かう92歳のマダム、マドレーヌのパリ横断旅を描いたヒューマンドラマ🚕
マダムの波瀾万丈な人生に意表を突かれた。パッケージからこんな話が飛び出すとは想像出来ない😓
最初はしつこく話しかけて来るマドレーヌに面倒臭そうに冷たく接していたシャルルだが彼女が自分の人生を語り自らをさらけ出す行動に心を開いていく。彼女との会話でしかめっ面だった表情が段々と柔らかくなっていくのがすごく良い。
生活苦に喘ぎ、荒んだ日々を過ごしていたシャルル。イライラして他人に当たり散らす自分は嫌だっただろう。恐らく人と笑い合うなんて事も長らくなかったんじゃないか。ましてやただのタクシー運転手の自分にこんなにも興味を持ってくれる人は珍しい。今の切羽詰まった状況だからこそ、彼女の心からの優しさに救われ人情味を取り戻していけたのだと思う。辛いこともあるけどこういう思いがけない素敵な出会いがあるから人生って素晴らしい。どんな切っ掛けでもこうやって人との繋がりは生まれていくんだと。
後部座席に座っていたマドレーヌがタクシーから一度降りて再び乗る場面では助手席に移動している演出が地味に好き。
ラストのマドレーヌからの手紙を読んでから家族で抱き合うシーンで号泣。切ないけど優しさに満ちたヒューマン・ドラマの傑作だと思う。