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マガディーラ 勇者転生 <完全版>のBew666のレビュー・感想・評価

3.7
本作の監督の新作公開記念で、リバイバル上映されていたので、この機会に見てみました。
いやー、約3時間は長いですね。長いんだけど、退屈かというと全くそんなことはなく、体感2時間ぐらいの作品でした。その理由は歌やダンスがあったことですかね。インド映画は、歌やダンスが随所で入るので、結構ミュージカル映画としての要素が強く、映画のテンポも凄く良く見えちゃうんですよね。約3時間もあるのにあまり長く感じないのは、セリフは歌であり、本音ははダンスとして体全身で表現して進むからなのかなと思いました。

本作は「愛」がテーマの映画が2本くっついた作りになったていると思いました。全体としては一貫したストーリーで、輪廻転生した2人の男女が、昔果たせなかった愛を成就させるというストーリーです。前半は転生した男性が、1人の女性に触れたことで、前世の記憶が蘇り関係を深めていくというものですが、この前半が面白かったです。本人は服やスカーフでしか判断していないので、目の前にいる人がその人なのに、全く気づかない。女性の方は、そんな彼をからかって反応を見て楽しみますが、徐々に好きになっていくという、まるで漫画やアニメのようなラブコメを全力でやっています。本来なら見ていて小っ恥ずかしくなるシーンの連続なのですが、それをダンスや歌で補うことで、ミュージカル映画のように自然に見れるようにしているのは上手いなと思いました。また恋愛においての距離感や本心も、歌やダンスという形で伝えてくれるので、見ているこちらも等の本人たちのように、何だか気持ちが朗らかで、見ているこちらも楽しくなって来ます。この部分が体感型映画として、インド映画が1番優れているポイントであり、本作はそこが凄く光っています。

そして後半は前世の話になりますが、こちらは、王族とそれを守る近衛兵との、身分を超えた恋愛という話なのですが、正直なところ前半のラブコメ部分のクオリティが高すぎて、本来メインである前世の話が薄くなっている印象でした。
前世の話の方が映像的にも煌びやかなのですが、全体的にどこかパッとせず、微妙な感じになっているなと見ていて感じました。前世の話がメインなのに、前半のラブコメ要素とあまり上手く噛み合って合っていないまま前半と繋げているので、これならラブコメで部分で2時間ぐらいで収まったのではと思いました。ドラマチックなシーンも多いのですが、「今更これ見せられても...」という気持ちが強く、順序を逆にして、前世の話から描けば、もっとしっくりきたのかなと、個人的思いました。

まぁ色々思うところもありましたが、エンディングで流れるスタッフたちのダンスシーンで、「まぁいっか!」となれたので良かったです。

🙇🏻‍♂️読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♂️
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