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アトラスのshoのレビュー・感想・評価

アトラス(2024年製作の映画)
3.9
過去のトラウマによるAI嫌いの女性分析官“アトラス”とパワードスーツAI“スミス”のバディムービー。

予告で感じた期待に120%応えてくれるのでめっちゃ楽しかった!

ジェニファーロペスは「ハスラーズ」での圧倒的姐さんキャラが強く印象に残ってたから「なんで今更こんなおバカSFに…」とも思ったけど、これはこれで嫌々AIとのドタバタ活劇に巻き込まれて翻弄されてる感が出て良かったな。
あと口悪いおばさんキャラも嫌いじゃない笑

映画自体は面白かったけど、
この手の映画の結末によくある「“死んだ”AI・ロボットを復活させてハッピーエンドかのようにする」問題がどうしても気になる。
映画の山場を越える際に、記憶やデータが失われたり、ハードが損壊したりすることでロボットの“死”を描くものの、「実はプロトタイプが残っていました」とか「再プログラムして同じロボットを作りました」と言ってハッピーエンドかのように演出する物語が稀にあるが、それってハッピーエンドなのか???と思う。
極論、10年連れ添ったペットが亡くなった直後に「同種のペットを買えばいいじゃん」と言われるかのようなサイコパス味を感じてしまう。

これは攻殻機動隊SACの多脚戦車タチコマとバトーさんの関係性で言及されたテーマでもあって、基本的に並列化しているのでどの個体も同じであるはずなのに、人間は特定の個体に思い入れを抱いてしまう。
そしてそれこそが個の同一性(ゴースト)を生み、他の個体と区別して抱く特別な感情(愛情?)なのではないかと思う。

本作は「with all your modification」と言われていたので、ラストの機体はスミスを修理したものとかデータを移植したとかではないんだよね。
とすると、全くの別個体に同じ音声で喋らせてたと…

ただ、改めて本作のラストを見ると、あくまでも主人公のAI嫌い(実際はAIに限らない他者に対する不信)を克服したというハッピーエンドであって、主人公の表情からは今は亡きスミスに思いを馳せるかのような憂いのようなものが見てとれる、気がする…
それならまあ、素晴らしいラスト👍なんだが、どうなんだろう。
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