平均評価が結構低いことにビックリ。そこまで賛否両論の尖った代物なのかと思ったけど、それほどではなかったです。同じぐらいノリとパワーで話の粗さを押し切っていて、星4近くの作品なんてわんさかある。上映規模が小さく、観客が絞られてくることが影響してるのかな?
とにかく主人公の明がずっとヤバい。まともに人の感情の理解ができてないのによく面倒見良かったり好意を寄せてくれる友人ができてるな。しかもチェイスシーンでのスクーターさばきも上手くてなぜか身体能力もかなり高い。
明にとって恋人を持つこと、どういう存在か、どのように接すべきかがずっとズレてるから0号ちゃんが歪んでいくのが最初から見えてくる。その過程を見守っていくという感じで、なかなか自分の好物で楽しめました。
0号ちゃんがずっとかわいそうで、溜めに溜め込んで、明に感情が爆発した時はいいぞやっちまえって感じでしたw
設定や世界観とかは荒削りで、ツッコめる部分が結構出てきますが、カメラワークや画の構図、サウンド面などの演出力が素晴らしく高い。特に明が0号との恋人関係で疲弊していくところや、チェイスシーンとかはお見事。設定の粗さは自分で補完して、今は物語に身を任せようと思える熱量を感じさせてくれました。デビュー作で少数人体制でこの出来はさすがです。
どうせならもっと過激にはっちゃけてもよかったですね。血も規制で黒い墨にせずちゃんと赤黒くしてPG12ぐらいにしてもよかったし、もっと0号ちゃんのヤンデレっぷり、目のハイライトオフシーンが見たい。
余談ですが、これまた相当ヤバい明の母親、ウルフカットにハイライトの無い赤い瞳の研究者と、どう見てもウマ娘のアグネスタキオンを思い起こす容姿だったの面白かった。
実際にデザインに影響を受けたのか、それとも女性マッドサイエンティストはこんな感じという共通記号となっているのか...?