ロアー

ヴィーガンズ・ハムのロアーのレビュー・感想・評価

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
3.7
ヴィーガン向けの代用ハムの話じゃなく、ヴィーガンをハムにしちゃう肉屋の夫婦のカニバリズムコメディです。設定としてはデコハゲマッツ主演の珍作「フレッシュ・デリ」に似てるかも。

「”神戸ヴィーガン”を作るんだ!」から始まり、「牛だって去勢済の方が美味い」や「黒人女性の肉は未知の領域」など、数々の珍名言でヴィーガンだけじゃなく、トランスジェンダーや有色人種、イスラム教などなど全部に喧嘩を売っていくスタイル。それでもレイシズムやアンチポリコレを感じさせず全部コメディに昇華してるのがセンス良いし、ポリコレ疲れしてる世の中に向かって「俺たちは野菜じゃなくて肉を食いたいんだ!」と叫ぶような、そんな映画でした。

倦怠期だった夫婦の再生のお話でもあって、ヴィーガン狩りによって会話の増えた夫婦が仲睦まじくヴィーガンを殺しまくるのも面白かったし、ヴィーガンに近づくためにヴィーガン過激派のフリをして街頭デモを行ったりと、そんな倫理観のカケラもないところがめっちゃ面白かったです。
ロアー

ロアー