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メトロポリスの8888のレビュー・感想・評価

メトロポリス(2001年製作の映画)
3.8
とにかく映像が魅力的に見えてしまう。2001年当時の技術満タンまで詰め込んで作りました感は出てしまっているが、それでもやっぱり見てたいと思ってしまう。AKIRAも然り、どうしてこういった、歯止めを知らず発展したちょっと錆びれたサイバーパンクはこんなにも見惚れてしまうのだろう。
ストーリーは今となってはありきたりだが、原作が20世紀前半だから仕方ない。展開の仕方はお手本のような進み方だった。世界観の説明も登場人物の設定もプロローグでわかりやすく説明してくれるし、階層世界を見せることで一気に魅了された。後半ちょっと長いと感じることはあっても絵で保たれているから気にならない。表現方法も当時のアニメーション映画のエッセンスを一気に詰め込んだような感じだ。

ティマはロボットなのか人間なのか。どっちでもなく天使だった。ベルリン天使の詩に出てくる主人公の天使のような、全てを傍観する存在。そう思うと見ている私たちもこのストーリーの中では天使のような気がした。いつも当事者でしかいられない私たちを天使にしてくれる。それが映画の役割だと思わせてくれた映画。

この映画が良いか悪いかはわからない。でも、この映画が当時の精鋭たちをかけ集めた力の入った作品であることは確かだった。
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