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「メトロポリス」に投稿された感想・評価

にこ

にこの感想・評価

2.8
作画は最高だったけど退屈になってきて半分くらいからスマホ見出した

このレビューはネタバレを含みます

海外では非常に高い評価を受けている一方、国内での評価は「美術も音楽もセンスも最高なんだけど……何か惜しい!」本作はこのケースに当てはまる有名な作品じゃないでしょうか。
昔から大好きな作品でしたが、当時はどこのレビューサイトを見ても微妙な評価を受けていて「えっ?!」となったのを覚えています。
あまりにも微妙な評価が多いので、その頃私もレビューするときにそれらと同調する事を書いてしまったことを覚えています。本当は何度も観るくらい好きな作品なのに。

手塚治虫の「初期SF三部作」の一つを原作にしており、発達しすぎた科学に逆襲される人類がテーマ。
その連想からか、バベルの塔(ジグラット)などメソポタミア神話もモチーフに加わっています。
原作のミッチイは「ティマ」、つまり原初の海の女神ティアマト由来の名前となっています。
(ちなみに原作のミッチイは両性具有で、喉の中に仕込まれたボタンを押すことで性別を切り替えられるという、あまりにも時代を先取りしすぎた設定!)
そして彼女を破壊しようと付け狙うロックは自警団マルドゥク党のメンバー。マルドゥクはティアマトを倒した国家の守護神。
原作では科学の危険性とミッチイの悲劇性に焦点を当てていましたが、本作は政治・階級闘争も深く絡んできます。
本作が国内であまり評価が高くなかったのは、そうした要素も入れたことで話が複雑になりすぎたと思われた部分もあったのかもしれません。
あと評価が低い理由はもう一つ、ケンイチとティマの声優についてもよく言われる気がする。
個人的には純朴なイメージがマッチしてたからそれほど気にならなかったのですが、悲鳴を上げるシーンとかは……うん。
周りが大ベテランばかりなので余計目立ってしまう。
(公開から20年経つと多くの方が鬼籍に入っていて寂しい限りです)

しかし作中のロボットの扱いが、今見ると外国人労働者そのもの。
多くが誰もやりたがらない危険な仕事や汚れ仕事に従事していたり、社会の底辺の人間たちから職を奪ったと恨まれているのが、まんま世界中で問題になっている外国人労働者問題じゃないですか。
事あるごとにロボットたちは徹底的に破壊される。それはもう徹底的に惨たらしく。ヒゲオヤジたちに雇われた刑事のペロにも同じ運命が待っている。
「どうして人間は、物事の解決に暴力を用いるのですか?」
「わかっているんだ俺たちも……確かにそこが問題なんだ、感情って奴がな。その振幅の中で、少しずつ進歩するしかないんだ。それを肯定しないと、俺たちは生きていけないのさ」
地下組織のリーダー、アトラスとのやり取りの後、あっけなく射殺されるペロ。
これだけ共感できる台詞を言わせておきながら、あっさり相手を射殺するという演出が恐ろしい……
まあ「物事の解決に暴力を使わざるを得ない問題」は後述のデウス・エクス・マキナでうやむやになってしまうのですが……

あらゆる対立や陰謀が渦巻く巨大都市メトロポリスを駆け巡るケンイチとティマ。そして二人を追うロック。
このロック、父親の愛を求めていながら全く受け入れられないというキャラクター。
ただでさえロボットを憎んでいるのに、父親の愛情を独占しているティマ。当然どうなるかはお察しの通り。
しかし彼のやることは尽く父親の意に反するものばかりで、勘当に近い扱いを受ける。それでもティマ抹殺に執着した結果……
その父親であるレッド公も、ティマのモデルを幼くして亡くなった娘にしている割には、愛情の向け方が絶妙に歪んでいる。
「感情に流されることのない絶対的な超人になって、世界を掌握しろ」だもんなぁ……
そして実際にその通りになって、世界は破滅へのカウントダウンを始める。
そこで流れたのは……『愛さずにはいられない』!このセンスよ!

絵コンテを見ているだけで冗談抜きに気が遠くなりそうなくらい精密すぎる都市。それが音を立てて崩壊していく。
それを彩るのは誰もが知っているスタンダードナンバー。滅びの美学という言葉を地で行くようなクライマックスです。
この部分は流石に当時から大きな評価をされていましたね。
ケンイチは超人の椅子からティマを引きはがすことに成功するも、兵器のコアとして取り込まれていたティマにはもはや、ケンイチすら敵としか認識できなかった。
それでもケンイチはティマを救おうと尽力し、記憶が戻り始めるが、あまりにも遅すぎた……
「わたしは……だれ……」が最期の言葉になったの、どういう意味なんだろうなぁ。
自分は何者か、人間かロボットか。それとも最初に覚えた言葉で最期を締めくくったのか。
いずれにしても、人間にもロボットにも超人にもなり切れずに散っていったティマの末路は美しくも切ない。
(ちなみに原作のミッチイの死にざまは、エネルギー源の太陽の黒点が喪失したことで肉体を維持できなくなり、直接的な描写はないものの、全身ドロドロに溶けて死ぬという凄惨極まりないものだった)

跡形もなく崩壊してしまった街。しかし、薄暗かった地下世界にも日の光が差すようになった。生き残ったロボットたちもティマの名前を連呼している。
エンドロール後の写真でケンイチはロボット会社を設立し、新たな共存の道を築こうとしている模様。
ティマの名前の由来になったティアマトは死後、その体の部位が新たな世界を作るための材料になったという。
人間たちから「天使みたい」と例えられるほど美しかったティマ。
未来からの啓示をケンイチに託した彼女の犠牲がきっかけで、新たな世界が生まれる土台が出来上がったのでした。
(にしてもティマがマネキン状態になっているのが気になる。復活させる気なのか、それとも……)
かれん

かれんの感想・評価

3.3
実は物語に大きな進展はほぼ起きない。しかしアクションと音楽と映像とでなんだかすごく良いものをみた気分にはなる。
橋

橋の感想・評価

3.1
映像も音楽も素晴らしいんだけど、話が冗長で退屈で当時見たときは半分寝ちゃってた。
大人になってから見直して初めて「こういうのもありだな!」と思えた作品。
放水機が組み上がるまでの些細なシーンにすら並々ならぬ作画へのこだわりを感じる。
ちひろ

ちひろの感想・評価

5.0
😢



ペロが一番😢
画も話も良い
火事のところの音楽めちゃくちゃ好き
ロックくんは最後まで歪んでて良い…😌

スタッフロールでキャストがめちゃくちゃ下なのもすごいな
「手塚治虫アシスタントの食卓」を
読んでから、
手塚治虫の何かみたいなと思ってたら
丁度これがオススメに出てたので
みた

確か小学校の時に
予告編だけをみて見てみたいなと
思った記憶がある

さすが
この時代のアニメは画力がすごい!

FF7のミッドガルのような世界観に
手塚治虫の可愛いキャラたちが
生き生き動いて

最後の崩壊する所は
まさにAKIRAのようやった
とにかく圧倒的画力!
水

水の感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

SFの勉強中。

・まず映像の凄さに泣きそうになった。一体どうすればこんなレベルに到達できるのか…。

・ティマがシンプルに可愛かった。

・ペロの好感度が高かったけど、理由をよく考えると「立場をわきまえ、常に理性的に会話をして、任務遂行のためには自分の命を危険に晒すことも厭わない」というまさに機械的な部分がかっこよく、好感に繋がっていて、皮肉な感じがした。

・ひげおやじがメモ帳のページをめくるとき、そそっかしいからめくりきれずに前のページに戻ってしまうのが細かくて面白かった。

・同じく細かいところでいうと、第一階層の消火用ホースに穴が空いていて微妙に水が吹き出してるのが面白かった。手入れが行き届いてないのか、とにかく世界設定と合致していていいなと思った。


・テーマは「人造人間をどう解釈するべきか」だろうか。こういう哲学的なテーマは好きなんだけど、個人的には「私は誰?」という疑問で終わらせず、何らかの結論を出して欲しかった。「結局のところはわかりません。」が結論になるのはある意味正しいしテーマに対する回答としてものすごく誠実だと思うけど、満足はできなかった。

・ドラマがピンとこなかった。キャラクターに血が通ってない感じがした。特に、ケンイチがティマに固執する理由が「かわいくて惚れた」意外見当たらないのが気になった。自分の理解不足か、何か描写を見落としたかもしれない。

・ラストの写真は何を思えば正解なのか分からずモヤモヤした。とりあえず「残った部品からティマを修復するためにロボット専門のエンジニアになった」みたいなことかなと解釈したけど間違ってるかも。


・あとSF全般に関して最近思うのが、今はもう「科学の爆発的進歩」みたいなのが説得力を持たない時代になっていて、そのせいでかつてハードSFが持っていた「もしかしたらあり得るかも」みたいなロマンが薄れているように感じる。
背景作画がとにかくすごいし、何気ない動作(勝手にめくれたページをまためくるみたいな)をわざわざ描写してるような細かさが面白かった。背景はマジずっと見てられる。凄まじい緻密さ
多分、ただ歩くシーンみたいなそんなに意味を持たない場面が長くて間延びしてるように感じるのかも
pai

paiの感想・評価

3.4
20年前の作品とは思えない映像美
特に色彩がどのシーンも素敵
海外のアニメーションの様なおしゃれさもあって素晴らしいんだけど…
いかんせん冗長…!!
こんなにセンスと技術があるのに…!!もったいない!!!と思ってしまう歯痒い作品
m

mの感想・評価

4.8
幼い頃映画館に観に行って、子供心に苦さや哀しみや切なさを教えてくれた映画。

大都市で探偵と甥が謎を探るハードボイルドなミステリー、政治家と貧困層だけでなく軍部や差別されるロボットも入り乱れる複雑な政治&革命劇、少年の冒険&淡い初恋。街の外部から来た純粋な少年の視点で、それら全てが綺麗に一つにまとめられる。手塚治虫の原作を更に複雑に深化させた大友克洋の脚色が秀逸(てかこの座組考えた人凄いな)。しっかりと哀愁漂うエンターテイメントに仕立て上げているりんたろう監督の手腕も見事。
今観ても充分に傑作だったし、大人になった今観ると更に奥深さが理解できた。


手塚治虫スターシステムによってお馴染みの手塚キャラ達が大集合して、各々がいつもの手塚作品とはまた一味違う人間臭い複雑な役柄を演じる。
中でもロボットへの差別意識を露骨に見せつつ冷酷に人間を殺傷していく悪役のロックは、その冷酷さとは裏腹に、父代わりのレッド公からの愛情を子供のように渇望する多面性を見せて素晴らしい。最近では「七つの会議」等で嫌味な役を演じている岡田浩暉がロックの声を演じていて、冷酷さと捻れた少年性とを滲ませて好演。


劇中の社会で最も苛烈な扱いを受けて差別に晒されているロボットは、そのまま現代社会における移民に置き換えられる(ロボット達は貧困層からも『仕事を奪われた』と怒りを向けられている)。ロボットを射殺する自警団・マルドゥク党がナチスのような制服(劇中で『ファシストみたいな格好』と明言される)を着ている事、国家の中枢にいる政治家とマルドゥク党との癒着、下層で民衆を率いてクーデターを起こすアトラスがはっきりとチェ・ゲバラに重ね合わされている事、等々思った以上にかなりハッキリと政治的で、今見ると作り手の志と先見性に驚く(まさに今の日本の姿ですよね)。


全編を彩るジャズ音楽と異様にクオリティの高い画と緻密な作画、渋い色調によって、映画全編に(近年のアニメ映画には無い)大人の色気が宿っている。

レイ・チャールズの「I Can't Stop Loving You」が流れるクライマックスは崩壊と別れの哀しみに満ちていて、今観ても切なさが胸に染みた。
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