メトロポリスの作品情報・感想・評価

「メトロポリス」に投稿された感想・評価

めよち

めよちの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

手塚治虫の漫画を原案としたSF超大作。可愛らしい作画に反してテーマはとても重い。便利な社会になる一方でそんな社会から迫害された人々、人間と機械の共存、人間の存在意義、ロボットの存在意義。
少女ティマが問い続ける「ワタシはだれ?」この言葉に終始胸が締め付けられた。


アニメ作品には珍しくbgmがジャズ。愉快だったり悲しげだったり、優しいトランペットの音が心地いい。
終盤の大都市が崩壊する印象的なシーン、その背景で流れる音楽はレイ・チャールズの「I Can't Stop Loving You(愛さずにはいられない)」。冷たく悲しいティマの表情が、都市の崩壊が、とても美しい映像のように思えた。


複雑に絡み合った物語の行き着く先は結局、「愛」というものなのかもしれない。登場人物たちが持つ愛は様々だった。歪んだ愛、信仰的な愛、そして主人公ケンイチとティマの愛。人は何かを愛さずにはいられない。何かを信じずにはいられない。それが一つの存在意義として成り立ってしまうから。
ラストシーンでは、物質的な〝もの〟ではなく、その物質のなかに宿る魂こそが大切なのだと描かれている。
それが救いがある描写なのか、残酷な描写なのか、捉え方は人それぞれだけど、私は充分に救いがあったと思うし、手塚作品らしいな、とも思った。


人は死んでしまえばただの物質でしかなくなるし、ロボットも壊れてしまえばただのモノと成り果てる。ヒトもロボットも同じ道を辿るのに、一体何が違うんだろう?
手塚治虫は生涯、ロボットは決して人類の敵ではないことを描き続けてきた。彼の作り出すロボットはどこか愛らしく、人間よりも人間らしい。
ロボットよりも、ロボットをただの機械と見なし暴力的になる人間こそが機械的で度し難いものだと。
境界線は一体どこにあるのだろう。そう考えたときに、ケンイチとティマが交わした初めての会話が頭をよぎる。
「ワタシはだれ?」
「君はワタシ、ボクはキミ」


この映像作品は17年前のものだけど古臭さは全く感じさせず、構成、作画、bgm全てにおいてかなりのクオリティ。海外では評価が高いようだけど日本では知名度が低い。低すぎる。アニメ史に残る名作なのでは?と思うのだけど。
原作は60年以上前の漫画で、戦後すぐにこういった構成の作品を生み出した手塚治虫はやはり天才だな、と。
(戦争があったからかもしれないけど)あの時代に科学が人間社会を脅かすかもしれないだなんて、私だったら考えられなかっただろうな。
ふるち

ふるちの感想・評価

4.0
手塚治虫の初期作品をりんたろう監督により映画化。ケンイチ、ロック、ヒゲおやじ等、手塚作品でお馴染みのキャラクターが当時の最新アニメ技術で登場。クライマックスの崩壊シーンが印象的でバックに流れる歌はなんとレイチャールズの「愛さずにはいられない」。
手塚治虫作品の結末は少し切なくなる。そこがまた素晴らしい。
GNZ

GNZの感想・評価

4.0
かなり昔に見た映画でとてつもなく印象に残っている
手塚治虫独特の雰囲気が引き継がれている。アニメーションはもちろんだが、影の付け方やその世界観はが印象的。
あとめちゃくちゃに泣いた

だが子供の頃の記憶は美化されるもの。大人になった今どう見えるかがわからない…また見てレビュー更新でもしたいと思う。
イオラ

イオラの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

もっと早く観ていればよかった。
ティマもロックもケンイチも、ただただ美しかった。「親はケンイチ」と口にしたティマの悲しさ。おじさんの優しくて残酷な嘘。ペロとフィーフィーの悲しい愛らしさ。
おなじみ手塚治虫のキャラクター、ヒゲオヤジやロック・ホームが出演する人間とロボットの物語。
人間とロボットが共存する社会の中で、1人の少年と1人の高性能ロボットを中心に話が進んでいく。
ところどころジャズが流れてお洒落なアニメーション作品になっている。
Lilico

Lilicoの感想・評価

5.0
近未来とジャズの組み合わせが美しすぎる!
最後は残酷で、ケンイチの健気さに泣ける
虹鱒

虹鱒の感想・評価

4.0
ジャズに極彩色にメカ。これが2001年の作品だなんて、、、緻密さに驚かされるばかり、、、。少年と人造人間が、予期せず世界の終わりに巻き込まれる、、、。切ない。
フリッツ・ラングのメトロポリス要素が取り入れられて、緻密なアニメーションや近未来都市の描写が見応えがありました。

ラストの畳み掛けがすきです。ボーイミーツガールは最高ですね。
Tankuyuan

Tankuyuanの感想・評価

3.8
以前予告編を観て興味が湧いたので、DVD を、買って観た。
良かったのは物語にはあまり重要ではない町や文化をわざわざ説明したり、野次馬の会話というかたちで説明したりする点と全編に渡るジャズミュージック。
名曲をバックにしたラストシーンはとても印象に残った。あの「ワタシハダレ?」は記憶が最初の頃になったから言ったのか?それとも我に帰って「結局自分は何者なのか?」という悲痛な訴えを彼に伝えたいために言ったのか?
これはどちらにもとれるセリフだと思う。

この映画は一部の人間に虐げられた人々とロボットの痛みや苦しみを(完璧にではないが)伝えてる映画だ。
hyuGa

hyuGaの感想・評価

4.0
【JAZZの流れる近未来で、1人の少女に問われる悲しみ】

原作はブレードランナーやAKIRAより30年も前に作られてたんですね…脱帽の一言。
ストーリーはふわふわしてて完璧には掴めないが、可愛らしいキャラクターや、細かな描写、そしてなにより圧巻の美しい世界は見ていて非常に引き込まれる。
そしてラストのレイ・チャールズは何とも難しい心境にさせてくれます……
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