わたなべ

福田村事件のわたなべのネタバレレビュー・内容・結末

福田村事件(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

2023年37本目

関東大震災の混乱に乗じて朝鮮人が悪事を働いていると言うデマが流れ、とある村で事件が起こる、、、という話。

まずは映画について。
全体的にはよかったけど、ところどころ気になる点があった。赤ちゃんの泣き声が異常に多かったり、方言が強すぎてなんて言っているか分からなかったり、、、。ただ、これらの演出は監督のリアリズム思想から来てるものだと思ってる。
ただ、ドアの音だったり、何かを置くときの効果音が多々大きすぎるように感じた。その点はマイナス。
日清〜日露戦争や大正時代全般の時代背景を知ってると尚楽しめると思う。デモクラシーを「でもくらし」と発音してたのはまだ浸透してないんだなぁと言う時代の細かい部分を感じた。

次に映画の内容について。
第一に感じたのは「人間」の怖さ。人間の感情ってすごく尊くて儚くてなくてはならないものだと思うけど時にとても残酷。デマを流すのだって朝鮮人だと村人に伝えるのだって人間のエゴでしかない。本当に胸糞悪くなった。
あと当時の日本の軍国主義やメディア(これは今もだけど)ほど腐った体勢はないなと感じた。国を守ると言う建前の大義名分を掲げて人を殺していいと言う思想がゴミ。作中で瑛太も言ってたけど、朝鮮人だから殺していいわけない。なんでそう言った倫理的なことに気づけなかったのかな。容赦なく子どもも殺すところは残酷すぎて直視できなかった。
ただ、関東大震災の混乱下では中国人や韓国人だけでなく社会主義者も殺されたことについて触れていたのはよかった。
しっかり史実に基づいて教科書に載せるべき。少なくとも自分の記憶では日本史で習った記憶はない。
そもそも朝鮮人に悪いことをしてるという意識があったからこそ朝鮮人を怖がって勝手にデマを流して殺してって自分勝手すぎるよな。なんか日本人としてのプライドなくなりそうになったし、そりゃ今でも朝鮮から嫌われててとやかく言われるわって思った。まぁ昔は昔、今は今だけど過去に日本人がやったことは認知すべきだと思う。

以上、私の個人的な見解でした。
わたなべ

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