このレビューはネタバレを含みます
エンドロールが終わったとき、さぁしましょう、ディスカッションをしましょう!という感じがした。色々な視点が詰め込まれていたから、各々の視点から物語にさらに立体感を持たせるためにはディスカッションが手取り早いよね…みたいな。
日銭を稼ぎながらなんとなくのラッキーで日々困窮せずに生きてるわたしですら、社会に対して何はかを思うきっかけになるというか。
ミルグラム実験のことをはじめて知った時のショックを思い出したし、逆にその他の同調実験や集団浅慮の概念を知っていたから映画から受けるショックはなかった。
「朝鮮人なら殺してもいいのか?」
さらに世の中にはどうしてか差別を助長したがる人が居て、(架空の)違いに勝手に価値をつけて流布して、なおかつそれを鵜呑みにしてる人が未だに居るから。〇〇人は全員暴力的で日本を乗っ取ろうとしてるとか、未だにそんなん信じる人がいるから。そんなわけないだろと、権力者に都合の良い社会のために排斥されて良いものではないし、そもそも〇〇人も性的少数者も在日も片親も中卒も全員がまず同じヒトだよ。
薬売りの行商集団は被差別部落からやってきた。劇中にはハンセン病の人も登場した。私は1997年に公開された、もののけ姫でこの病気を知った。親から『おそらくあの人たちはハンセン病患者』と説明をされた。ハンセン病患者を隔離するための法律は1996年まであったと、その後に読んだ本で知った。
自分の中にある偏見と対峙して、考えたり、人と話したり、本を読むことで、社会に定着しているイメージにとらわれることなくありたい。もっと言えば、渦中で苦しんでいる人の助けになれるように生きていくべきだと思う。
あと、これをなかったことにしようとしてる人たち普通にやばいよ。