めちゃくちゃ観たかった作品、最寄りに来たのでようやく鑑賞。結果からすると、ちょっと期待値が高すぎたせいか、個人的にはそこまでではなかった。カメ止めの時みたいな…？(言い方！)公開前にNHKで取り上げていた時点で概要(つまり結末)を知っていたので、そこがマイナスに繋がっているかもしれない(私、ネタバレした状態で観るとかなり評価下がるので…展開に期待してしまうから)。内容は勿論悪くなかった。期待値に対する相対評価です。
森達也監督の「i-新聞記者ドキュメント-」を観たい観たいと思いつつ観れておらずで、先にこちらを鑑賞することに。なので、監督の作風とかもよく分からない状態で観ました。ドキュメンタリー畑の監督の初の劇作品、で合ってましたっけ…？なんていうか、すべてがそれだった。恐らく、完全に史実に基づいているんですよね…？何だろう、振り幅的にちょっと物足りない感じはありました。なぞっているだけというか。あくまでも個人的な感覚です。でもここでフィクションを入れ過ぎるとおかしくなるので、難しいとは思う…
(そういう意味では、私は本家の映画「新聞記者」のほうが好き)
強いて言うと、讃岐の一行の出自は知らなかったので、そこは驚きました(ここは史実通りなのかな…？それはちょっと気になった。調べたら、史実なのですね)。
「きっかけ」はフィクションかな？
そこは見事だと思った。
タガが外れた を、邦画で久々に見たような…
非常に共感もできる。
結局、大義とかではなく、個人的な事なのだと思う。
キャストは絶妙…！
実はこの後「アンダーカレント」を観たので、井浦新さんデーという認識でいたのですが、完全に瑛太さんの作品になっていた…あちらも含めてネタバレになっていたら申し訳ないのですが、「怪物」からの流れも踏まえて、彼は完全に今年助演男優賞を狙ってるな！と思いました。というか普通に獲れると思います。役どころも、演技も。
井浦さんは主演扱いだと思うのですが、個人的にはそんなに見せ場が無かったと思う…(というか、寝そうになってしまった。。朝早かったので。ごめんなさい！)
でも、彼が出る作品に間違いはない、とは言える。
(「朝が来る」、「こちらあみ子」を踏まえて)
むしろ田中麗奈さんのほうが主演ぽかった。
彼女は「幼な子われらに生まれ」に出てますよね…？あまりどういう役どころだったかは覚えていないのですが、作品自体が癖強めというか、印象が強い感じだった記憶はあります。(今でも名前がぱっと出てくる的な)
彼女もそういう作品に出がちな人なのかな…？
東出昌大さんとか木竜麻生さんあたりはもう鉄板すぎる！安定しかない。
「菊とギロチン」コンビ！…と思ったけど、「Winny」もか！出る作品が完全に安定すぎる。
マジで東出さんも作品(役)選びが良すぎる…私の中で10連勝くらいしてる！(ざっくり概算で)
木竜さんもいい役だった！
杉田雷麟くん、ひさびさに見ました。
あとコムアイさんがよかった！演技観たの初めてかも…ちょっと萩原みのりちゃんに似てるかな？(お顔が)
田舎に彼女が居る少年役の男の子、なんか見たことあるような…朝ドラに出てたかな？と思ったけど、違った。(子役たくさん居るものね！)
個人的に「ONODA」チームがめちゃ重要ポジだと思った！
松浦祐也さん、カトウシンスケさん。
絶対あの作品で評価されたのでは…(個人的お気に入りの為、多少の偏向は認める。。)
本作は企画が荒井晴彦さん…なんかわかるような。(脚本にも参加)
最近観た作品で同じような事を感じた…と思ったのですが、「共喰い」かな？荒井さんらしいというか。
「幼な子われらに生まれ」「天上の花」がそうだったんですね。キャスティングはそこからかな…？
やってる内容としては、ネット社会のいじめと変わらない。
集団という匿名性、世論は声が大きいものに流れやすい。風向き、というか。
そういう意味では凄く目新しい内容ではないと思うけれど、史実、という点に意味は非常にあると思う。
あと、完全に良い人も悪い人も居ない、という人物造形が良かった。
一般的に不義理と言われるような悪事を働いている人でも人柄は共感できる感じだったり、人が良さそうに見えても裏では何かあったり…
そういう人間の描き方はうまいと思う。
言ってしまえば、加担した人だって、その時点では自分を正義と思っている。つまり悪意はない。だから結局、何を信じるかだけなのだと思う。
勿論、悪は悪なのだけれど。
どこで風向きが変わったら自分もそうなるかわからない。
簡単に白黒つけられないというか、難しい問題だと思った。
