約100年闇に葬られた日本の事実に目を向けるべき作品。
戦争時の日本については、今まで色んな戦争映画や学生時代の勉強で知識としてあったものの、かなり浅かったと思う。
改めて、本作を観て、色んな感情が湧いた。
今回の事件において、誰が悪いとか、誰が戦犯だとかないように感じた。
ただ、政府や軍の上層部が民衆を扇動していたようにしか見えないので、加害者は誰なのかという点においては、彼らだと思った。
扇動、集団心理、ここまで来ると一種の洗脳や伝染病に等しいとも思える。
序盤から終盤にかけての朝鮮人への差別的発言や行動。
所々チープな部分があり、クオリティが少し落ちる部分はあるが、それがリアルに感じ取られるからなのか、本当に怖かった。
張り詰めていた糸が切れる瞬間。人の心がいかに脆いのかが、まざまざと突きつけられる作品だった。
また、情報という本質的な怖さも描かれているようで、現代のインターネット社会においても同じことが言える。
正直、現代においてもそんなに変わらないように思えるが、瑛太が演じた行商の人のように自分の気持ちを真っ直ぐに伝えられる、少なくとも正しい生き方をしている人が、報われるというか普通に生きられる時代になってほしいと思った。
