差別意識が生む流言飛語と、メディアが取るべき役割を描いた作品。
“鮮人やったら殺してもええんか”という問いかけは、血縁幻想に基づいた国民国家や民族、または天皇家というフィクションを元にした意識を持つ集団の危うさ、いまの社会が持つシステムの問題点に対する問いかけに思える。
穢多非人や鮮人、非国民などという分類が本作では出てくるが、こうした言葉が持つ“人”を「個人」ではなく、「集団」として分類する視点が持つ問題点が描かれているように思う。
個人の人権が認められている社会だったら、こうした事件は防げるのだろうか、多様性という違いを内包する社会を築けるのだろうかという問いかけにも思える。
でも、ちょっと最後の虐殺のシーンはリアリティがなさすぎる…