hoka

福田村事件のhokaのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
2.9
監督がドキュメンタリー作家なだけあって、時代考証や美術/方言監修には力が入っていると思うが、特に方言に関しては、受け手側の視聴者としては、何を言っているのかの方が重要だ。

今作では言葉の違いがキーワードであることは理解しているが、福田村/讃岐双方の言語がはっきりとは聞き取れないので、勿体無いと思う。

震災と朝鮮独立運動という社会不安の最中に国家主導のメディアで流される流言の真偽を確かめる手段がない村民達の狼狽振りが自衛的集団心理に拍車をかけた結果の惨劇。
問答無用で口火を切った無口なトミの心情がよく分からない。
平沢計七の亀戸事件が史実であっても、今作の場合は本筋とは直接関係が無く、蛇足だと思う。

今日の様に情報過多であっても、結局人は惑わされるし、難儀な事だと思う。

今作で初めて《征露丸》の意味を知った。

水道橋博士はあまり面白いと思ったことがない上に、橋下徹(も好きでは無い)に対しての執拗に怨みがましい態度がプロレスの枠を逸脱していて好きになれないので好印象とは言い難い事が、返って長谷川というparanoiaなキャラに合っていて、彼をキャスティングしたのは良い判断だったと思う。
hoka

hoka