オールバック侍

機動戦士ガンダムSEED FREEDOMのオールバック侍のネタバレレビュー・内容・結末

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)
1.3

このレビューはネタバレを含みます

SEEDをネタとして楽しんでる人や
キャラクターのへ愛着で見てる人は楽しめると思う
お祭り映画として観た方がいい

自分みたいにC.E.の世界観が好きな人でその続編を楽しみにしてた人にとっては酷い映画だった

ディスティニープランを受け入れなかった結果の世界でキラが苦悩するというプロットはとても良かったと思う
その上でキラ達が何をするのか
何を選ぶのかという物語だと思ったら
凄惨な世界と自分の話だったのが
いつの間にか私的な愛の話に置き変わって解決した風になってるのがシリーズで最も酷い終わり方だった
非常に嘘っぽいハッピーエンドった
ビターエンドでいいからC.Eの世界観を壊さないで欲しかった
ただラクスの「愛してるから必要なのです」は個人としてのディスティニープランへの回答としてはとても良いと思う
それでも、世界を巻き込んでデスティニープランを拒絶した以上、世界はどうするべきかという問題に対しても回答を出す必要があると思う


序盤はカリドゥスで民間人を焼き払うC.E.の世界観全開で良かったけど
そこから謎のオカルト催眠でキラを暴走させる展開になった
フラガ一族の感応くらいなら良いけど
TV版では一切仄めかされてもいない、心を読んで、洗脳して、幻覚を見せられるなんでもありの超能力が出てきて、世界観がTV版と全然違った

そもそもファウンデーションという組織を出す必要性を感じない

SEEDの謎、マルキオ導師、フラガ一族等、本編で言及できなかった要素を掘り下げる形で物語を展開すればよかったのに、何故か新組織と新キャラを大量に出して、その掘り下げもほとんどされないのは倒した時の爽快感に全然繋がらない

1番酷かったのは
最終決戦のギャグ描写
ステラが特急呪霊になって、ディスティニーが分身して、アスランが戦闘中にハレンチな妄想をする
ネタとしては面白のかもしれないが、今までのSEEDの世界観はぶち壊しになってる

キラが「期待の性能が全てじゃない」と言った後に機体性能で圧倒したり
ファウンデーションのやり方を否定するラクスが裏で核搭載機を準備してて
結局力で黙らせようとしてるのファウンデーションのやり方と一緒じゃんっていう本質的なダブスタを感じる

他にもロリババアがレクイエムの照準をミレニアムにしてなかったらオーブ消し飛ばされてたと思うと敵のポカで生き残れただけで
なんだかなぁって感じ
アカツキ出すなら寧ろここでカガリがアカツキの新しいシルエットでレクイエムからオーブ守って父の遺志で国を護るって展開の方が良かったと思う

ルナがミサイル撃ち落とせないシーンも
ジブリールが乗ったシャトル落とせないオマージュかもしれないけど
何万人もの命が失われる場面でやることじゃなかったと思う

ストフリの新バージョンも微妙なデザインだった
装備も圧倒的にドラグーンの方がかっこいい
パンフには雷で攻撃してると書いてたけど
マジで神秘の力でどーんって感じでSEEDの戦闘とは思えない

とてもSEEDシリーズと同じ世界の出来事とは思えなかった


良かったところは
お馴染みのBGMの使い所が良くてめちゃくちゃワクワクした

デュエル、バスターのミーティアとドッキングするシーンも本当に興奮した

ニコルの作戦や戦術バジルールが出てきた時も熱かった

カガリVSメイリン論争に終止符が打たれたのも良かったと思う

CG作画も思ったほど悪くなくて
ウィンダムとかジンとか量産型がバンクじゃない動きをしてるのを見れたのは本当に嬉しかった

戦艦のディティールが細かいのもとても良かったと思う

あとニコル知ってる人誰もいないとこで
アスランが「ニコルの作戦だ」って言ってるのが普通に面白い

いい所は幾つもあったけど
決定的にC.Eの世界観を壊しすぎていて自分にはうけつけなかった

あとライフリとイモジャあんだけ早く退場させたんだから
ストフリとインジャの新規の後継機は用意しておいて欲しかった


18年待っただけに悲しかったけど
それでもまたSEEDが盛り上がって色んな人と話を出来たのは嬉しかった