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殺しの分け前/ポイント・ブランクのcatmanのレビュー・感想・評価

5.0
2017.04.19追記
BDを購入して大正解、高画質映像で観て惚れ直した。ハードボイルド、フィルムノワール、スタイリッシュ、アブストラクト、アヴァンギャルド、サイケデリック、シュール、本作を形容する言葉は様々で、ネット上でも風変わりで難解な演出に対する考察が散見されるが、兎にも角にも拘りのアングルや色彩設計によってバキバキにキメまくった画面が素晴らしい。大好き。タイトルバックからもう痺れまくり。やっぱり映画は画なのだよ。

リー・マーヴィンはもう相変わらず最高で、COOLとしか言いようが無い。コワモテの面構えと太い声、その佇まいだけで画面がグッと引き締まる。ジョン・ブアマン監督によるコメンタリーで、マーヴィンが芝居のみならず本作の創造性に多大な貢献を果たしていると知って感動。世界観に完璧にハマっているヒロインのアンジー・ディッキンソンは衣装を含めて大変美しく、撮影当時のマーヴィンとの関係性を知るとこれまた味わい深さが増すって寸法。それと敵役のジョン・バーノン、この人が出るだけでシーゲル/イーストウッド風味が醸し出されるのでこれまた俺得なキャスティング。監督デビュー作ならではのブアマンの作家性と美意識が大いに発揮された傑作。
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