マツモトタクシー

全身小説家のマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

全身小説家(1994年製作の映画)
4.0
原一男監督作品
作家井上光晴の晩年5年間を密着したドキュメント
「虚構のクレーン」「地の群れ」が代表作
「ゆきゆきて神軍」の監督の作品と知ってレンタル

井上氏のことはこの作品で初めて知り小説も未読ですが中々興味深いドキュメントでした☺️

癌に蝕まれながらも作品を書き講演をし小説家を育てる為、沢山の人を弟子という形で集め精力的に活動している
どちらかというとファンクラブに近い感じ

監督は生い立ちを調べていくがそこには嘘と虚構も多くウソつきみっちゃんと呼ばれることもあったという笑

瀬戸内寂聴さんとは公然の秘密の間柄でほとんどの方がその関係に気付いていたそうで寂聴さんは関係を清算する為、仏門に入ったのだとか

最初は虚構でも段々と自分でもその嘘が本当だったと思うようになり話を作っていってしまう
医学用語で空想虚言というそうです

まわりの弟子の方はまるで教祖様と信者のようで特に女性の方達は心酔している様子
弟子の女性の方には全員手を出している感じでそれも凄いなと笑

生き方はホントに嘘つきのクズなんだけど笑
小説を書くと凄いという!
人たらしという言葉がありますがピッタリだなぁと😁

葬儀で寂聴さんが貴方とは男女の関係は無く初めての男性の友人でしたみたいなことをいうのですが周りの方はえ?!って感じで。。
寂聴さんなりに最後まで虚構を完成させてあげたかったのでしょうか?
大人の愛は複雑だなと思いました😁