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の方へ、流れるのコラボのレビュー・感想・評価

の方へ、流れる(2021年製作の映画)
4.0
 唐田えりか復帰映画。
 『寝ても覚めても』での不思議な存在感は健在で、彼女はやはり映画映えする。すらっと背が高くて透明感があり、都会的というより素朴な佇まい。今作では会話劇で相手との次々に繰り出される言葉の応酬を難なくこなし、ありがちな言葉も彼女が口にするとなぜかはっとさせられる。オーディションやって選ばれるのは当然かも。こんな人が例の騒動で責められ頑なに門戸を閉ざすのはどうだろう。不愉快な人はもちろん観なければよいと思うのだけれど。
 どうでもいいトリビアを。二人が出会うバスの中で『失われた時をもとめて』を読む男が手にしているのはちくま文庫版。あれをスーツのポケットに入れるのはすごい(600頁はあるので)。それからこの変わった題名は同じ作品の第1巻『スワン家の方へ』もイメージしていたそうだ(監督本人の弁)。