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の方へ、流れるのKのレビュー・感想・評価

の方へ、流れる(2021年製作の映画)
3.2
淡々とした台詞の応酬。ところどころとても冷たく意地悪に聞こえるトーン。笑えないし笑わない冗談。この手のやり方は濱口竜介監督作品を意識するけれど、作り込みという点で差を感じる。しおり。小説。「ナンパ?」。「つまらなそうな女」。「無難でつまらない答え」。エアボール。「デジャヴ」。達観しているようでいてその実何も見えていない感じや、自分は特別だと思い込んでいる様が見ていて非常に痛い。同時に強く孤独を抱えた人に思えて心配にもなる。きっと周囲のレベルが低いせいで自分は理解されず孤高なのだと考えていそう。「連絡先教えて」。言った言葉のほとんどが跳ね返ってくるような展開。相手の本質を見極めるにはやはり滲み出る“サイン”を見逃さないことが大切だと感じさせられた。言葉を信じる難しさ。
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