Hiroe

ヒトラーのための虐殺会議のHiroeのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
3.0
会議録をもとに作られた映画なのだけれど、まさに「会議録」そのもの。実際に映画もずっと会議の様子を映しているだけ。ただ、話している内容とその実際の結末を思うと、この会議に漂う日常感にそこはかとないホラーを感じる。事件は会議室で起きてるわけじゃないかもだけれど、この「日常感」が現場まで浸透してたからこそ、80年後のいまでさえ世界中の誰もが知っている大量虐殺事件が実際に起きたわけですよね。反論とかもあるのだけれど、「いやいや、疑問に思うべきはそこじゃないでしょ」というツッコミが誰も思い浮かばなかったところがすごい。ここで最も恐ろしいのは彼らは別に狂人とかサイコパスってわけではない、っていうところか。特にアイヒマンの有能さは秀でていて(彼は本当にサイコパスだったのかもしれないけれど)、うわー説明わかりやすっ、って思ったとき、とても背筋が寒くなった。
Hiroe

Hiroe