しちれゆ

ヒトラーのための虐殺会議のしちれゆのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
3.8
1942年のヴァンゼー会議、名前だけは知っていたけどこれだけを描く映画が出来るとは…【ナチス&ユダヤ人】って今や世界中の人々の一大娯楽になった感あり。

今回は軍服や高そうなスーツをパリッと着こなした軍人・官僚・役人の偉い人たちが美しい邸宅に集まり、どうやってユダヤ人を絶滅させるかを各々の持ち場が損しないよう持ちつ持たれつの着地点に向かって話し合う。途中スナックやコーヒーやワインを飲み食い。けど″金髪の野獣″ハイドリヒだけが何も口にしなかったのはカリスマ性の顕示?そして有能な事務方アイヒマン。本作は彼の議事録を元に作られたのだが、この人は裁判でもずっと「命じられたことをやっただけで自分は悪くない」と言い続けたとか(Eテレで見た)。

そもそも″アーリア″とはインド・ヨーロッパ語族を指し、それが次第に民族や人種を表すようになっていったもので″アーリア人種″なるものは存在しない。それがナチスによりアーリア=白人という大雑把な括りになってしまった。ドイツ人はゲルマン民族と高校で習うとおりドイツ→German→ゲルマンなのです。祖国を失い世界中に離散してもなおその優れた能力で富を築いたユダヤ人がナチス・ドイツのスケープゴートとなったのです。ヨーロッパの人々が信仰するイエス・キリストがユダヤ人なのにもかかわらず。
(話が脱線しすみません🙇‍♀️)

異色の1本、私はとても興味深く、語弊があるかもですが楽しめました。
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