あまのうずめ

ヒトラーのための虐殺会議のあまのうずめのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
3.5
1942年1月20日、ドイツのヴァン湖(ゼー)湖畔にある別荘で国家保安本部長官で親衛隊大将のR・ハイドリヒ主催の会議が開かれる。会議には親衛隊(SS)、ナチス党、各省庁の高官が集められた。議題となったのは「ユダヤ人問題の最終解決」。会議前にゲーリング国家元帥の手紙が読まれる。


▶︎かの有名な『ヴァンゼー会議』の議事録に基づき製作されている。議事録は戦後米軍が外務省文書の中から発見している。
「ヴァンゼー会議」でSS大将ハイドリヒやSS中佐アイヒマンが中心となりアウシュヴィッツのガス室でのジェノサイドが決定されたことは周知の事実として知られているが、その中身が詳らかになった意義は大きい。

議事録はそのままに会議前、休憩中、会議後が創作され作品となって、おぞましさこの上ない内容。議事進行の進め方は冷静で見事と言うしかない。作品として良く残してくれたと思う。

戦後ユダヤ人国家としてイギリスの三、四枚舌でパレスチナが作られ、現在こうした戦火となっているのも併せて思い至りたい。