れれれ

正欲のれれれのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
4.0
最後のセリフがあまりに痛烈で、ラスト30分が痛いほど絡み合っていて良かった。
これのために2時間の壮大なフリが必要だったわけだけど、こんな壮大なフリに付き合えるのは映画館で観たからで、やっぱり映画は映画館で観るもんだなと再確認しました。

群像的な人の絡め方と、主観に寄り添っていくような人物描写と両方とも成功していたと思う。
(磯村勇斗の苦しさは脚本として描写不足だったと思うが…。)

「普通」と「多様性が認められること」は人間社会の「幸福」の命題として扱われているが、両者は背反した概念だと思う。そして、この両者を求めることはなんら間違いではないのに、この主張がもう一方を傷つけられてしまうことがあるという救いようのない皮肉がこれでもかと描かれていた。

本作は「多様性が認められること」を求めそうな立場の人間が「普通」であろうとした物語だと思う。こんなに人間らしい運動はないんじゃないか、と思った。
あ、そういうところで言うと、正常位って何が正常なんだろうな。なんか語源あった気がするけど忘れた。
れれれ

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