夏月が「地球に留学しているみたい」と言った前後に放った「普通の人たちが楽しいと感じていることが、自分には総じてつらい」というニュアンスのセリフが、個人的に一番刺さった（刺さった割にはうろ覚えだけれども）。
恋人の有無を聞かれるのも、結婚式への出席も、妊娠や子どもの話を聞かされるのも、決してその事象そのものを憎んでいるのではなくて、「そういったルートを選んでいる人たちが人として正しくて、自分は正しくない」と宣告されているみたいで、しんどくなってしまうんだよな。
私もこれから、夏月の職場の先輩みたいな考えを持った人たちから、身勝手に哀れまれていくのだろうな（もう既に哀れと思われているかもしれない）と思うと、ちょっと生きるのがつらくなってくる。
幸か不幸か、夏月が福山に住んでいる設定だったので、夏月の周囲の人物が広島弁で哀れんでくるのが、まるで自分に語り掛けてくるかのようで、しんどさが増してしまった。
キャスト陣では、最近市子でもお芝居を拝見した渡辺大知さんと宇野祥平さんがこちらにも出演しており、後者はまたまた刑事役で面白かった。
刑事役が似合い過ぎている。
対して渡辺大知は打って変わって、地方都市にいかにもいそうな若いお父さん役で、その解像度の高さに驚かされた。
役者としてはクズ役が多い印象だったので、個人的に新鮮だった。
早く黒猫チェルシ（以下略）。
