このレビューはネタバレを含みます
原作を数年前に読んでたので、思い出しながら視聴。
近年多様性の風潮が出てきて、色んな生き方、在り方が増えてきている。けれども多様性、という言葉にすら、言葉の外にはみ出ている人間が存在しているというメッセージを受け取った作品だった。
分類の中に、存在を見出されないことを肯定されていないように疎外感を感じるということに対して然り。フェティシズム然り。
冒頭の広告に書かれているのは明日生きたい人間のためのもので、今日死にたいそうじゃない。という表現も然りだろう。
あとは、映画というか物語の感想だけども、毎度朝井リョウのシニカルな視点というか、現実世界にも問題提起を残すようなやり方が超良いなと思っていて、学校行かない小学校Youtuberのこととか。大学の文化祭かなんかで、クランプダンスを使ってダンス✖️多様性で多様性だ〜!みたいなやり取りの中で、"それは文化の背景を利用したよくないやり方だ"だとか、いつ出産するの?彼氏は?みたいな当たり障りのない発言にすら、敏感になってしまう時代な気がする。
登場人物のセリフが揶揄してたりする。
確か原作では、最後に明らかになる登場人物が水が性対象という部分が冒頭に明らかになって、上記のメッセージ性にハッとさせられたが、映画では最初になんとなくそのシーンがあって個人的には最後にわかった方が好きだったかもしれない。