このレビューはネタバレを含みます
何が楽しくて生きているのかなんて、年がたてばたつほど分からなくなってくる。さっきまで自分のことで精一杯だったくせに、ちょっと余裕ができるとすぐ人の粗を探して、勝手にイライラして。人と関わるのが億劫で。1人でいいって、それでいてお酒を飲むと少し寂しくなる。一人でいたくて分かち合える人といたいという矛盾。
とにかく解像度が高い映画って最近ものすごく多いと思う。前半はその通りで、何眼レフですか！？ってぐらいの解像度。あーいるいる(もしくはいそう)のオンパレードでこれはこれで面白かった。
後半になるにつれ、自分の持っていた感情が変わっていく。特に、夏月の「1人から2人で生きていく事の幸せを知る」ことは、大好きな男の腕の中で眠るようなもので、1回知ってしまうとその前にはなかなか戻れない。どんどん「普通」になっていく夏月がそこにいた。
1番納得いくのが寺井さん話で、同じ状況だったら全く同じ行動するんじゃないかなってぐらいの気持ちだった。大勢に理解されない方が悪になってしまう時もある。それに気が付かないで、己自身が他人に悪を押し付けている時もある。
どんな感情もあっていい感情、自分を理解し自分の感情を受け入れ大切にする。そして他人を自分の物差しで図らない。それが、なんとなくわかった気がした
