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ひとりぼっちじゃないのBremingerのネタバレレビュー・内容・結末

ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

井口さん主演&馬場ふみかさん、河合優実さん共演ということでこれは無条件で観なければと思い鑑賞。女性客が多めでしたが、井口さん人気すごいですね。

久々に観なければよかった…と思ってしまうくらいの駄作でした。分かりにくいストーリー、唐突な展開、魅力のないSEX、気味の悪いカメラワーク、意味不明な終わり方、99%くらい無駄に思えてしまえる作品で、何度劇場を出たいと思ったことか…。

まずほぼほぼ無いけれど微かにあった良いところを挙げると、河合優実さんのホラーじみた表情が良かったです。やはりこの人は凄いなと再確認させられる表情でした。これを監督が自分の手腕だと勘違いしなければいいんですが。あと装飾は中々に凝ってました。そこじゃなくて物語を凝ってくれよと思ってしまいましたが笑

もうあとはゴリッゴリの批判意見ばかりです。開始直後からあんまり乗れないなと思ったテンションがどんどん下がっていき、地の底を這いずりまくっていました。

まず役者の無駄遣いが酷すぎます。井口さんはまぁ可もなく不可もなく…といった感じですが、馬場さんと河合さんは本当に無駄遣いだと思いました。馬場さんは色気漂う表情や仕草が魅力的で、そこが出ていない役割でも存在感がハッキリと出ている素晴らしい女優さんなんですが、今作だとステレオタイプな不思議ちゃんで全く役が生きていない様に思えました。SEXシーンだって体張って全部脱いでるのに全くエロく見えない…。監督の自己満足が過ぎています。

河合優実さんも完全な無駄遣いで、そもそもどんな役割かも分からないくらいフワフワしたポジションなので、時たま出てきて煽ったり、話したり、SEXしたり、最後の方狂気じみた表情が活きていましたが、どうにも河合さんが何も発揮できてないまま終わった感じが拭えません。去年の「百花」もこんな感じだったので、日本映画はもっと河合さんを大事にするべきだと思いました。

監督の問題だと思うんですが、原作も監督が書かれていて、脚本も監督ということで、そもそも原作から合わない気がしましたが、作中何度も文章のまま映画になっているなと思うくらい間が長いです。いつカット切るんだ?と思うくらい待たされるんですが、やんわり暗転かと思いきやそんなことなくダラっと続く訳わからない場面を何度も目撃しました。

作中のSEXも別に理由なく行われるもので、タイトルの"ひとりぼっち"の部分がコミュ障である主人公、全然ひとりぼっちじゃないじゃんというところにもツッコミが入ります。コミュニケーションが下手くそならそこへ辿り着くなんてもっと時間がかかると思うんですが、SEXは秒速で辿り着くなんていう都合の良さ。あとヴーと唸るシーンがあるんですが、あれは一種の発達障害なのでは?と思ってしまう場面があり、描き方としては雑だなという印象が拭えませんでした。

容子の部屋で男が死んでたとか、倉庫に男が敷き詰められていたり、突然のウサギだったり、主人公のブチギレだったり、車道に横たわっていたり(クソ迷惑)、劇場で謎に振り向いた人だったり、何かと絡めようとしているんですが、結局絡めず終いで放りっぱなしというやり投げっぷり。全てを回収しろとまでは言いませんが、そこまで放られると監督に怒りをぶつけたくなってしまいます。

終盤に急に長崎へ向かう事を決意した事を母親に告げますが、それもまた理由なしに移住、アテもないけどなんとなくという適当なもの、個人制作で知り合いに見せるくらいならこのくらいの理由でも良いと思いますが、これは劇場に流すものなので締めくらいはしっかりして欲しかったです。

カメラワークも謎のズームアップだったり、役者を画面の左半分に寄せて右半分は壁を映すとかいう謎技があったりと、色んなところで頭を抱えてしまいました。

生涯ワースト…と言ってもいいくらいの作品だと思いました。そもそも映画にカウントしたくないくらいの未完成作品を世に出した製作陣にも多少の問題が…。そもそも役者の使い方をもう少し考えてから映画を作って欲しいなと思いました。この監督は要注意だなと思いましたが、もう早速「サイドバイサイド」でまた役者が豪華という共通点が見えており、こっちは頼むからもう少しまともであってくれ…と願うばかりです。2023年のワースト入りはほぼ確定だと思います。
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