せっ

ライオン・キング:ムファサのせっのレビュー・感想・評価

4.0

前作は実写のリアルにこだわりすぎてて、やけに色がなくアニメ版のカラフルで鮮やかな良さが完全に失われてたのに対して、今回は場面も次々に変わるし、割とカラフルで良かった。あと後半の『ライオン・キング』への伏線回収もめっちゃテンポ良くて、エンタメとしての楽しさは充分あった。

ムファサという題名ながら本当の主人公はタカなのも良かった。多くの人は強すぎる敵を前にしたら逃げるし何も出来ないし、王にはなれないから、タカの気持ちが分かりすぎるんよな。

でも、個人的に逃げるよりもちゃんと戦うことを主張するムファサの姿勢がずっと疑問で、基本的に逃げ腰なタカと価値対立が起きるのかと思ったら普通に「戦うことこそ善!」みたいなめちゃめちゃマッチョな方向に突き進んで怖かった。それも、価値観がずっと対立してるムファサとタカがアメリカだとすると、今回の敵ホワイトライオンがロシアにしか見えなくて、ダメ押しにムファサが「無関係と思って静観してると次に狙われるのはお前たちだ!」とか演説しだしたから。

もう、好戦的すぎて笑っちゃったよ(笑)まぁ、他人事と思わずちゃんと向き合ってって事なんだろうけど、映像では戦ってるから戦争に参加しろっていう風に捉えかねないぞと(笑)でも、ムファサとタカの未来を思うと本作が決してハッピーエンドでは無いことを思うと、内側の部分とちゃんと向き合わなかったことが破滅に繋がるってことも示唆されてんのかな。

あと、ラフィキは恐らくアジアの立ち位置なんだと思うけど、西欧のメンタル的な師匠にはなれど、いざ戦争になると役に立たんし全く的外れなことを言う平和ボケ感は的を得ているような気がする(笑)大地の揺れだけに敏感なのも。
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