Nao

西部戦線異状なしのNaoのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.5
先日、ウクライナとロシアの前線バフムトでの兵士の寿命が4時間という記事を見たのが、鑑賞のきっかけ。

単なるニュースだけでは、大変だとなあとしか思えていなかったけれど、この映画を見ると、寿命4時間という言葉の重みがだいぶ変わってくる。

その裏側には、人同士の殺し合いであるということや、希望や使命感を持って戦っている若者たちを単なるコマとしか見ていない権力者の姿や、一つのエリアを取るために大勢の人の命が失われているとか、いろんな闇が隠れているのだなあということを、改めて突きつけられる。

そして、なんとなく戦争映画って、日本の大河ドラマ見たいな昔の話で、今は流石にこんなじゃないんじゃなんてなんとなく思ってしまっていたけど、そんなことないんだろうなと、真摯に受け止められた。宣戦布告したプーチンすごいやべーわ…。

そんなことを思えるぐらい、戦場の酷さをしっかり描いていて、見応えのある映画だった。
泥まみれで同じ軍服で誰が誰かよくわからなかったけど、その泥のつき方や怪我の仕方で心情まで表されてる(気がする)とことか、沼の水の血の混じり具合とか、細かい雰囲気作りまでしっかりされてて、丁寧に作られた映画だなあというのがよく伝わった。
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