Taku

西部戦線異状なしのTakuのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0
賞レースを席巻するほどかは分からないが傑作。『1917』のような技巧派によらず、堅実にリアリズムに徹して戦争の悲惨さを伝える。主人公が戦場に戻る過程が30年版とは違うが、こちらも良い(が、30年版の肝的な要素は抜け落ちた)。戦争の馬鹿馬鹿しさがより強調されている。
戦地シーンと並行するように、休戦を巡る上層部のやりとりの場面が追加されている。これが戦地との対比となり、滑稽な結末に効いてくるが、少し長いとも感じてしまった。代わりに、30年版にあった「帰還兵の描写」と「これから送り出される若者」の対比は無くなり、タイトル"異常なし"の意味は薄い。
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