Taku

西部戦線異状なしのTakuのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0
賞レースを席巻するほどかは分からないが傑作。『1917』のような技巧派によらず、堅実にリアリズムに徹して戦争の悲惨さを伝える。主人公が戦場に戻る過程が30年版とは違うが、こちらも良い(が、30年版の肝的な要素は抜け落ちた)。戦争の馬鹿馬鹿しさがより強調されている。
戦地シーンと並行するように、休戦を巡る上層部のやりとりの場面が追加されている。これが戦地との対比となり、滑稽な結末に効いてくるが、少し長いとも感じてしまった。代わりに、30年版にあった「帰還兵の描写」と「これから送り出される若者」の対比は無くなり、タイトル"異常なし"の意味は薄い。

他のユーザーの感想・評価

床8

床8の感想・評価

4.0
報われなさに心がやられる。だからこそよりリアルに感じる。メンタルの調子が良いときに見ないとだめ
Rararara

Rarararaの感想・評価

5.0
あまりにも空虚で無意味な最後の15分。

階段の先に見えていた光が、段々と地獄の焼け野原に変わっていく描写が切なかった。
・100年経っても人間は本質的には進歩してないことを痛感させられた。この時代に本作品に目をつけてリメイクしたネトフリは流石
・ドイツ視点なのと、メインではないけど休戦協定のシーンが映されてるのが斬新
・大きな進展がないこと自体がこの作品のストーリーというのは理解してるんだけど、ダンケルクや1917然り、この手の映画はあまり好みではないことを再認識
・2023年6作目

【評価基準】友達にこの映画どう?って聞かれたらこう答える
5点:めっちゃいい!オススメ
4点:けっこういいよー
3点:うーんー普通
※ 評価基準は基本的にはストーリー重視。その他、映像や音楽、演技の凄さ等はあまり気にしないことが多いです
Luna

Lunaの感想・評価

5.0
もうすぐ終わりとわかってからの15分、それでも取り憑かれたように前へと進むパウル。

是非、我が子にも、現代の若者にも見てもらいたい。
gnk

gnkの感想・評価

-
戦場に行くことを自ら望み、隊服を貰って嬉しそうにする青年たち。
そこに違和感を覚えてしまうのは、自分が平和ボケしてるからなのか?

戦争って洗脳だよ…

















ー 「 題名は主人公パウル・ボイメルが戦死した日の司令部報告に「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」と記載された事に由来している。 」 ー
ひらー

ひらーの感想・評価

4.3
戦争の悲惨さがダイレクトに伝わってきた。最初から最後までずっと目を背けたくなるシーンが多く、一気見できなかった。
前に進んでもまた後退して、この繰り返し。この前線を進むために失われた命が多すぎる。
なんのための15分だったのか、あの15分救われた命もあったのではないか、ただただしんどかった。
sobrii

sobriiの感想・評価

4.2
2023.3.11 鑑賞

冒頭から再利用がショック過ぎて苦しい。
戦争は、憎しみと悲しみが無限に続くだけだし、相手も自分と同じ人間なんだと気づいてほしい。
タイトルの意味に込められた"異状なし"を知って、今の戦争と変わらないじゃないかと気づいてしまった…

1930年版の方も観てみたい。

2023.24本目
本年度アカデミー賞配信系大本命。
受賞式前にやっと間に合った。
これは余韻凄い。
劇場で観たかった。
映像の迫力、音響、スコアの強度が強い。
塹壕戦シーンは「1917 命をかけた伝令」を超える。
ちゃんと戦場では血は流れるし、人は生きるためにもがく。
今まで他作品で悪としてしか描かれなかったドイツ兵をドイツ兵側の若者たちの視点で描かれる。
このことこそドイツで製作された意義がある。
ドイツ兵側の人間性、同じ人間であることをしっかり描いている。
死者は名誉など感じないという力強いメッセージが突きつけられ、残りました。
死ぬときは皆一瞬というのも戦場の理不尽さを最初から提示しているだけあり、彼らの運命も緊張感ありました。
国の為にと名誉を求めた若者たちが直面する戦場のリアルは残酷でありつつ、大人への世界の入口だった。ただ、本当の大人になれなかった運命を辿った人間もいるとなるとかなり切ない。
ラストの字幕からの無音は強烈。

本当に何度も言いたい。
劇場で観たかった!
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第1次世界大戦下のヨーロッパ。17歳のドイツ兵パウルは、祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線へ赴く。しかし、その高揚感と使命感は凄惨な現実を前に打ち砕かれる。ともに志願した仲間たちと最前線で命をかけて戦ううち、パウルは次第に絶望と恐怖に飲み込まれていく。
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Netflixで「西部戦線異状なし」見終わった。すごい映画だった。

「西部戦線異状なし」は、アカデミーの作品賞、脚色賞、視覚効果賞、美術賞、撮影賞、国際長編映画賞、音響賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞にノミネート。

作品賞撮っても不思議じゃない、人間ドラマと戦闘シーン。戦争で殺しあう事の無意味さを最後の最後まで伝えてくれる。

第一次世界大戦は、1914年7月28日に始まり1918年11月11日に終わる。物語は1917年、戦争が終わる一年前から始まる。

17歳の主人公パウルと友達たちは、冒険気分で戦争に参加するが、圧倒的な戦力の差で地獄のような戦場を経験する。戦場で仲間もできたがその仲間たちも次々と倒れていく。

命をかけたラスト15分、観てて胸が苦しくなった。


舞台は第一次世界大戦。一番悲惨な戦争と言われた第一次世界大戦。

飛行機や戦車が初めて戦場に登場しただけでなくて、このころは「なんでもあり」の戦争だったから、毒ガスを武器に使ったりしてた、いまでは、戦争で毒ガスは使えない。ジュネーヴ議定書で。

第一次世界大戦は、1914年7月28日から1918年11月11日に終わる。物語は1917年、戦争が終わる一年前から始まる。

17歳の主人公パウルと友達たちは、冒険気分で参加するが、圧倒的な戦力の差で地獄のような戦場を経験する。戦場で仲間もできたがその仲間たちも次々と倒れていく。

戦争が終わるそのギリギリの時まで戦おうとするドイツの一部の軍人は昔の大本営のようでもあった。

11時に停戦になるまで、あと15分。まるで無意味な15分の戦いが悲惨すぎた。

戦線は膠着して、ほぼ動くことが無かった。数百メートルの領地を巡る戦いだったことが余計に悲しすぎる。
m1chan

m1chanの感想・評価

4.2
原作・1930年映画未体験の感想として。このご時世にあえて不朽の名作にチャレンジするNetflixよ。冒頭の軍服の使い回しのように人命も使いまわされるシーンが全て。服のタグもドッグタグ(命)も何の意味もなく簡単に切り取られてしまう。ずっとそのシーンを繰り返しトラウマになるまで見せられたのにさらにやるせない
ラスト15分。もともと反戦がテーマな原作に、新たに追加した休戦パートでエルツベルガーが🇫🇷に対して厳しい条件だと飢餓が…って言ったことが現実になり、WW IIが起き彼が暗殺されたことを知ってると何のための戦争だったのかと思わされる。プライベート・ライアンばりに戦闘シーンが残酷で、1917のように恐ろしく綺麗な爆弾の粉塵・明かり…。そして音楽・静かな森の風景も良い。中盤と後半で同じとこからガチョウ盗んでるのが膠着した塹壕戦を物語っている。命懸けで盗んだごった煮のガチョウを上手いと食べる現場兵士と、身が残ったままの骨を犬にあげる将軍の対比がえげつない。

2023年8本目
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