戦争は断固として反対ですが、なぜ戦争映画は名作良作がこうも多いのでしょうか。
戦争は等しく無益です。無益な戦争から生まれた戦争映画はなぜか意義があるような気持ちにさせられますが、させられているだけです。大多数のひとにとって自分自身が携わらなければ盤面の娯楽でしかないのです。
もし反戦映画が人々の意識を変えることに貢献しているのであれば、そろそろこの世から兵器を使って殺し合う戦争や紛争はなくなるはずです……少なくとも欧米のほとんどの国から。
フランクザッパも言ってますが(真偽不明)、デンタルフロスの歌を唄っても誰の歯も綺麗にならないのです。
今作の戦車が登場してきたときの圧倒的な絶望感は他の戦争映画にはないものでした。そのあとすぐ出てくる悪魔の兵器の追い討ちにより恐怖が加速しました。ボクの中で、硫黄島からの手紙 を観てしまってからは、銃弾よりも液体燃料を吹きかけられ焼かれる火炎放射器が何よりも怖い兵器のトップに君臨しています。
志願し戦地に着く直前までの希望を描いたあとは、徹底的に戦争の無意味さと、悲惨、残酷さ、苦難、兵士が直面する心理的負担を見せつけることにフォーカスされていました。
(ジョーほどのえげつなさはありませんでしたが)
最初に反戦映画に効力はないと書きましたが、それでも伝える努力をしなければならないし、作品を観たひとも事実を受け入れ、考え次へと繋ぐ行動や考え方が"戦争をやりにくい社会"にする眼を育てることに繋がるのかもしれません。